KADOKAWA Technology Review
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Mind-Controlled VR Game Really Works

念じれば動く——脳波でプレイするVRゲームが登場

スタートアップ企業ニューラブルは、VRヘッドセットと電極を埋め込んだヘッドバンドで脳波を記録し、プレイヤーが考えた動作を実現できる、風変りなVRビデオゲームを開発している。夢のような技術が間もなく現実になるかもしれない。 by Rachel Metz2017.08.16

念力を現実世界で利用するにはまだ時間がかかりそうだが、脳でコントロールする実質現実(VR)のゲームは、2018年ごろには脳波を使って苦もなくアイテムを拾って投げられることを目指している。

ボストンのスタートアップ企業、ニューラブル(Neurable)は、開発しているディストピア風SFゲーム「アウェイキニング(Awakening)」のデモを大々的に公開し、ゲームの試験運用を始めた。このゲームはHTC ViveのVRヘッドセットに接続する、電極を埋め込んだヘッドバンドを使ってプレイする。アウェイキニングは、VRヘッドセットを装着したプレイヤーを念力を持つ子どもとして映し出し、風船でできた犬、アルファベットの積み木、虹色の輪投げなど、さまざまな玩具を脳波で拾って投げつけて政府の研究室から逃げ出す——というゲームだ。

ゲームの背景にある技術は、ロサンゼルスで先日開かれた最新のコンピューター・アニメーションとインタラクティブ手法の国際会議・展覧会シーグラフで披露された。ドライ電極と脳波(EEG:electroencephalography)を使って脳の活動を記録し、ソフトウェアが信号を分析して、ゲームの中でユーザーが意図する動作を導き出す。

Neurable is working on a virtual-reality video game that you can control with your brain.
ニューラブル(Neurable)は脳波でコントロールできるVRビデオゲームを開発している。

ニューラブルは2017年内にアウェイキニングを完成させる予定で、2018年中には増え続けるVRアーケード企業がこのソフトウェアと関連ハードウェアを採用することを期待していると話した。

デモは列車、飛行機などの玩具を呼び出すための調整から始まる。VRヘッドセットと電極を埋め込んだヘッドバンドを装着したプレイヤーは、バーチャル空間で目の前に浮かんでいる物体の輪の中から、玩具を正確かつ迅速に選択できる。プレイヤーが何をしているのかは、別のコンピューター画面で確認できた。

タフツ大学で脳コンピューター・インターフェイスを研究しているコンピューター科学者のロブ・ジェイコブ教授は、この種の技術がメインストリームに向けて少し進んだことに興奮していると話す。脳コンピューター・インターフェイス技術はこれまで主に障がい者に向けに使用されており、扱いにくく動作が遅い傾向にあったからだ。

ニューラブルは短期間に数多くの改良を重ねていて、まもなくさらなる改良版を出すという。たとえば、訓練には数分間かかるが、ニューラブルの共同創業者のラムセス・アルカイドCEO(最高経営責任者)によると、かつては10分間かかっていたという。2017年9月までにこの訓練を完全に廃止し、プレイヤーがゲームを起動してすぐにプレイできるようにしたいと、アルカイドCEOは付け加えた。

しかし、ハードウェアはまだかなり不格好で、ソフトウェアとハードウェアが揃って完成された製品となるのはまだ先のことだろう。そのうえ、脳インターフェイス技術は一部の人にはまったく機能しないとジェイコブ教授は話す。「脳とは実に複雑なものなのです」。

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クレジット Image courtesy of Neurable
レイチェル メッツ [Rachel Metz]米国版 モバイル担当上級編集者
MIT Technology Reviewのモバイル担当上級編集者。幅広い範囲のスタートアップを取材する一方、支局のあるサンフランシスコ周辺で手に入るガジェットのレビュー記事も執筆しています。テックイノベーションに強い関心があり、次に起きる大きなことは何か、いつも探しています。2012年の初めにMIT Technology Reviewに加わる前はAP通信でテクノロジー担当の記者を5年務め、アップル、アマゾン、eBayなどの企業を担当して、レビュー記事を執筆していました。また、フリーランス記者として、New York Times向けにテクノロジーや犯罪記事を書いていたこともあります。カリフォルニア州パロアルト育ちで、ヒューレット・パッカードやグーグルが日常の光景の一部になっていましたが、2003年まで、テック企業の取材はまったく興味がありませんでした。転機は、偶然にパロアルト合同学区の無線LANネットワークに重大なセキュリテイ上の問題があるネタを掴んだことで訪れました。生徒の心理状態をフルネームで記載した取り扱い注意情報を、Wi-Fi経由で誰でも読み取れたのです。MIT Technology Reviewの仕事が忙しくないときは、ベイエリアでサイクリングしています。
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MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020
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