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コネクティビティ The Next Generation of Emoji Will Be Based on Your Facial Expressions

本音は「 いいね」?「 ひどいね」? 顔認識で反応するSNS

スマホのカメラでとらえた表情をAIが絵文字に変換。いまは独自のソーシャルメディア向けのテクノロジーだが、いずれ遠隔地医療にも役立つかもしれない。 by Rachel Metz2017.08.29

An app called Polygram uses AI to automatically capture your responses to friends’ photos and videos.
ポリグラムというアプリは、AIを利用して友達が投稿した写真や映像にどう反応しているかを自動的に捉える。

友達がオンラインで投稿した写真や映像へ簡単にリアクションできる、新しいアプリがある。写真や映像を見たときの顔の表情を人工知能(AI)で捉え、自動的に顔絵文字に変換する仕組みだ。

ポリグラム(Polygram)」は、今のところアイフォーン(iPhone)でのみ無料で提供されているソーシャルアプリだ。アプリ内で写真や映像、メッセージを共有できるのはフェイスブックと同じだが、小さな「いいね(サムズアップ)」アイコンなどのあらかじめ設定されたリアクション以外の選択肢がほとんどないフェイスブックとは異なり、アイフォーン上で実行されるニューラル・ネットワークを利用して表情を捉え、「笑顔」「しかめっ面」「退屈している」「恥ずかしがっている」「驚いている」などの絵文字としてリアクションを示せる。

ポリグラムの共同創立者の1人であるマーシン・クミエックによると、アプリのAIは、アイフォーンの前面にあるカメラで顔を撮影し、瞳、鼻といった顔の特定の点を見るのではなく、撮影した画像の動きを素早く分析するという。アイフォーンのグラフィックス処理ユニットを使って、アイフォーン上で直接、動作する。

ポリグラム内の投稿を見ると(疑わしいほど高額で贅沢な休暇スポット、高価なクルマ、タイトな服装の女性などの投稿が多いようだ)、ディスプレイの下に表示されている小さな黄色の絵文字が自分の表情と連動して変化する。顔の表情がアプリに反映されるまでにはわずかな(ほとんど気づかない20ミリ秒ほどの)遅延がある。画面の横には一連の小さな絵文字のログが表示されており、ポリグラムはリアクションを(途中で変化した場合はそれも)同じ投稿を見た他の人のリアクションに追加して記録する。

ポリグラムは、自分の投稿がソーシャルメディアでどう認識されているかを本当に気にしている人にとって魅力的だ。投稿者は自分が投稿した写真や映像への反応の総数だけでなく、誰が投稿を見て、どのくらいの時間見ていたか、反応した人の居場所はどこか、といった詳細も分かる。一部のメビーユーザーには役立つかもしれないが、匿名とはいえ自分の活動がどう追跡されるか気にする人にとっては興ざめかもしれない。

多くのアプリ開発者が認識している通り、ソーシャルメディアで成功するのは困難だ。インスタグラム、あるいはスナップチャット(Snapchat)に対抗して人気を得られず失敗したソーシャルメディアは無数にある。シークレット(Secret)、パス(Path)、イク・ヤク(Yik Yak)、グーグル+(Google+)を覚えているだろうか。 ポリグラムの創設者たちは、今のところ彼らのアプリでこの技術を使うことに焦点を置いているという。しかし、遠隔医療のような他の種類のアプリでもこの技術が役に立つと考えている。たとえば、医師または看護師に対する患者の反応を読み取るために利用できる。 ゆくゆくは、他の開発者がこのテクノロジーを使った独自のアプリを開発するためのソフトウェア・ツールをリリースする可能性があるという。

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レイチェル メッツ [Rachel Metz]米国版 モバイル担当上級編集者
MIT Technology Reviewのモバイル担当上級編集者。幅広い範囲のスタートアップを取材する一方、支局のあるサンフランシスコ周辺で手に入るガジェットのレビュー記事も執筆しています。テックイノベーションに強い関心があり、次に起きる大きなことは何か、いつも探しています。2012年の初めにMIT Technology Reviewに加わる前はAP通信でテクノロジー担当の記者を5年務め、アップル、アマゾン、eBayなどの企業を担当して、レビュー記事を執筆していました。また、フリーランス記者として、New York Times向けにテクノロジーや犯罪記事を書いていたこともあります。カリフォルニア州パロアルト育ちで、ヒューレット・パッカードやグーグルが日常の光景の一部になっていましたが、2003年まで、テック企業の取材はまったく興味がありませんでした。転機は、偶然にパロアルト合同学区の無線LANネットワークに重大なセキュリテイ上の問題があるネタを掴んだことで訪れました。生徒の心理状態をフルネームで記載した取り扱い注意情報を、Wi-Fi経由で誰でも読み取れたのです。MIT Technology Reviewの仕事が忙しくないときは、ベイエリアでサイクリングしています。
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