AI研究の新しいメッカ、カナダに一流の人材が集まる理由
人工知能(AI)の分野では、いかに優秀な人材を世界中から集めるかが勝負となっている。移民規制を進める米国を尻目に、カナダが新たなメッカとなりつつある。 by Will Knight2017.09.21
人間とスムーズに会話ができる初めての人工知能(AI)アシスタントは、カナダ訛りで話し始めるかもしれない。
フェイスブックは、カナダのモントリオールに主要なAI研究所を開設し、AI研究者や専門的な技術を集めていることを公表した。最近のAI研究の進化はカナダの研究所から起きており、フェイスブックの次なる進化に新しい研究所の貢献が期待されている。
新しいAI研究所は特に強化学習の分野に焦点を当てる予定だ( 「2017年版ブレークスルー・テクノロジー10:強化学習」参照)。また、より実用的なバーチャル・アシスタントの開発を目的に、強化学習と他の斬新なアプローチを言語解析に適用しようとしている、とヤン・ルカン所長は話す。
「子どもはとても短い期間で人間同士の対話を学び、世界の常識を学習します。一方、人間が学習するパラダイムについて、私たちにはまだ発見できていないことがあります。この殻を破ることができれば、AIは本当の進歩を遂げることができるでしょう」。
カナダのAI研究所は、マギル大学のジョエル・ピヌー准教授が主導する予定だ。ピヌー准教授は、強化学習を言語とロボット工学に適用することを専門としている。
すでにフェイスブックは、よりスマートな対話システムの構築に多額の投資をしている。AIの重要な課題である言語の解析が進展すれば、あらゆる分野で新しい製品やサービスの道が拓かれるだろう。多くの限界がある現時点でも、アレクサ(Alexa)やシリ(Siri)のような音声アシスタントや、テキスト・ベースのチャットボットが成功を収めてきた。アップルをはじめとした対話システムの研究を進めている他の企業もまた、強化学習の利用を試している(「Siriの会話力、強化学習で大幅改善へ」参照)。
ルカン所長など、AIの分野をリードする主要人物の何人かは、カナダの大学で研究をしたり教鞭を取ったりしている。注目すべきことに、ここ数年でテクノロジーの世界に革 …
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