KADOKAWA Technology Review
×
ついに出た夢の翻訳イヤホン「ピクセル・バッズ」を使ってみた
Google
ニュース 無料会員限定
Google’s Pixel Buds Translate a Great Idea into Horrible Design

ついに出た夢の翻訳イヤホン「ピクセル・バッズ」を使ってみた

グーグルが、スマホと連携することで、40言語の会話をリアルタイム翻訳できる無線イヤホンを159ドルで売り出した。早速購入して、ヒンディー語、ベトナム語、インドネシア語をそれぞれ話す人たち数人と会話してみた感想をお届けしよう。 by Rachel Metz2017.11.27

90年代後半、高校でスペイン語を学んでいたとき、当時としてはハイテクだったツールを1つ持っていた。ポケットサイズのスペイン語・英語の電子辞書だ。単語入力用の小型キーボードと、翻訳を1行だけ表示する画質の粗いディスプレイが付いていた。

たまに単語を調べるくらいには使えたが、この小型の辞書は1度に1語以上の翻訳ができなかった。母語が英語ではない人と気軽に会話を続けるのに役立つようなものでは、決してなかったのだ。

だからグーグルが、「グーグル翻訳」とスマートフォン「ピクセル(Pixel)」を介してリアルタイム翻訳してくれる無線イヤホン「ピクセル・バッズ(Pixel Buds)」の発表を聞いたとき、期待が高まった(ピクセル・バッズはBluetoothイヤホンとして他のスマホにも使えるが、その際には翻訳機能は無い)。

ピクセル・バッズのアイデアはこうだ。一人がピクセル・バッズを耳に着け、もう一人がスマホを持つ。イヤホンを着けた方が指定した言語(デフォルトでは英語に設定されている)を話すと、スマホ上でグーグル翻訳によって翻訳され、大きな音声で読み上げてくれる。スマホを持った方の返答も同じように翻訳され、今度はイヤホンを通して聞こえてくる。グーグル翻訳は100以上の言語をサポートしているが、ピクセル・バッズがサポートするのは現在のところ、そのうち40だけだ。

ピクセル・バッズは、見た目はいささか間が抜けているが、159ドルだし、ちゃんと機能するなら信じられないほど役に立つツールとなるはずだ。10月に見たステージ上のデモでは、スウェーデン語と英語の翻訳のやり取りだったが、見込みがありそうに見えた。早く試してみたい、と期待感はさらに高まった。

それから話を1カ月、早送りしよう。ピクセル・バッズを手にした私は、数日かけて色々試してみた。ヒンディー語、ベトナム語、インドネシア …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る