KADOKAWA Technology Review
×
【4/24開催】生成AIで自動運転はどう変わるか?イベント参加受付中
気が早い? マイクロソフトが量子プログラミング言語を作る理由
IBM Research | Flickr
ニュース 無料会員限定
Quantum Computers Barely Exist—Here’s Why We’re Writing Languages for Them Anyway

気が早い? マイクロソフトが量子プログラミング言語を作る理由

実用化したシステムが存在しないにもかかわらず、量子コンピュータで動作するアプリケーション・ソフトウェアを開発するための「量子プログラミング言語」の発表が相次いでいる。マイクロソフトは、量子プロセスに関する専門知識がなくても、量子コンピューター向けのプログラムを開発できる高水準言語と開発支援ツールの無償提供を開始した。 by Martin Giles2017.12.26

量子コンピューターはまだきわめて未熟な段階にあり、大部分は少数の先進的な研究所の好奇心をそそる遊び道具にとどまっている。それでも、量子コンピューターのために新しいプログラミング言語を開発している人々はたくさんいる。

量子コンピューター向けの最新のプログラミング言語の1つに、マイクロソフトの「Q#(Qシャープと読む)」がある。マイクロソフトはこのほど、Q#といくつかのソフトウェア開発支援ツールを発表した。これで「QCL」や「クイッパー(Quipper)」といった高水準の量子プログラミング言語のリストに、新たな言語がまた1つ加わった格好だ。

しかし、量子コンピューターを持っている人がほぼ誰もいないことを考えると、これには何の意味があるのだろう?

マイクロソフトで量子コンピューティングの主任研究マネージャーを務めるクリスタ・スヴォア博士は、新言語が必要なのは、現在のコンピューターのために書かれた言語が量子コンピューターでは使えないからだという。古典的なコンピューターは二進法の形式で、情報を1と0の連なりとしてコード化するのに対し、量子コンピューターは量子ビット(またはキュービット)を使う。これは事実上、1と0を同時にコード化できる。

この「状態の重ね合わせ」により、膨大な量の並列処理が可能になる。量子コンピューターを構築する取り組みに対する関心が非常に高まっているのはそのためだ。量子コンピューターは材料科学から人工 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る