KADOKAWA Technology Review
×
ICOで20億ドル調達のテレグラムは暗号通貨の課題を解決できるか
Carl Court | Getty
ニュース Insider Online限定
Telegram’s ICO: Give us $2 billion and we’ll solve all of blockchain’s problems

ICOで20億ドル調達のテレグラムは暗号通貨の課題を解決できるか

メッセージング・サービスの会社であるテレグラムが、20億ドル規模の新規暗号通貨公開(ICO)を実施する計画であることを発表した。同社は、ブロックチェーンの最も厄介ないくつかの課題を解決するとしているが、その方法について詳細を明らかにしていないため、専門家の間で疑念が広がっている。 by Mike Orcutt2018.01.29

今回の出来事は「ロングアイランド・アイスティー」が「ロング・ブロックチェーン」に名前を変えたという話ではない(日本版編注:昨年、飲料会社のロングアイランド・アイスティーがロング・ブロックチェーンと企業名を変更したら株価が急上昇した出来事があった)。メッセージング・サービスを提供する企業であるテレグラムは、20億ドル規模の新規暗号通貨公開(ICO)を計画しており、今月実施する予定だ。これによってテレグラムは単に株価の急騰を期待しているのではない。20億ドルの金額に興味をひかれないとしても、この計画に隠れた野望を考えてみるといい。テレグラムは同社の暗号通貨を購入する投資家に対して、ブロックチェーン分野で最も厄介な問題のいくつかを解決すると約束しているのだ。

ICOの分野はすでに熱狂に包まれており、テレグラムはその中でかつてないほどの高値を付けようとしている。他の多くの企業は暗号通貨による資金集めのラウンドで9桁の資金調達を記録しており、その中の1つであるイオス(EOS)は、10億ドルをはるかに超えるペースである。こうした投資のすべては、いまだ存在しないブロックチェーン・システムに対する、ほとんど夢のようなものを当てにしている。

だが、テレグラムのICOを取り巻く投資家の興奮はさらに実体に欠けているかもしれない。テレグラムが提供 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. We finally have a definition for open-source AI 「オープンソースAI」問題ついに決着、OSIが定義を発表
  2. Here’s how people are actually using AI カネにならない生成AIブーム、LLMはどう使われているか?
  3. The US physics community is not done working on trust 物理学界で繰り返される研究不正、再発防止には何が必要か
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る