KADOKAWA Technology Review
×
労働統計から見えてこない、ギグ・エコノミーをどう捉えるべきか
Brooke Cagle | Unsplash
ニュース 無料会員限定
The US government is seriously underestimating how much Americans rely on gig work

労働統計から見えてこない、ギグ・エコノミーをどう捉えるべきか

労働統計局(BLS)は12年ぶりに臨時労働についての統計を発表したが、主要な1つの仕事についてしか調査していない。収入を増やすための副業は対象外で、ギグ・エコノミーが過小評価されている可能性がある。 by Erin Winick2018.06.13

米国労働省の労働統計局(BLS)は2018年6月7日、長く待たれてきた「2017年臨時労働者補遺(2017 Contingent Worker Supplement)」を発表した。私たちデータオタクにとって一大イベントだ! この統計を見れば、2017年5月の米国におけるギグ・ワーク(クラウドソーシングなどを利用して仕事を請け負う日雇い労働)の現状がわかる。しかし、調査結果にはいくつか問題がある(「政府が提供するギグ・エコノミーの最新データは既に古びている」を参照)。

最初に少し背景を説明しよう。今回のレポートは、BLSが「非典型就業形態(alternative work arrangements)」と呼ぶ形で雇用されている人々の概要を示している。それには臨時、フリーランス、契約ベースの仕事が含まれる。BLSはカテゴリーを説明するための短いビデオ( 「どのような仕事が臨時または非典型就業形態なのでしょうか?」)を用意している。

結果を数字で示そう。2017年5月時点で、

・米国の労働者の3.8%(590万人)は臨時の仕事(一時的な仕事または労働者が永続すると期待していない仕事)に従事していた

・臨時の仕事に就いていた人の約3分の1は、教育機関または保健サービスで雇用されていた

・臨時の仕事に就いていた人のうち、55%は永続する仕事を好んでいた

・独立して契約を結んで働いている人が1060万人、仕事がある時 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. We finally have a definition for open-source AI 「オープンソースAI」問題ついに決着、OSIが定義を発表
  2. Here’s how people are actually using AI カネにならない生成AIブーム、LLMはどう使われているか?
  3. The US physics community is not done working on trust 物理学界で繰り返される研究不正、再発防止には何が必要か
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る