KADOKAWA Technology Review
×
Facebookログイン終了のお知らせ(2026/3/31 予定)
Theranos is Closing Its Labs and Hemorrhaging Jobs

セラノス、
研究所と赤字事業を閉鎖

エリザベス・ホルムズCEOは、研究所が無意味であることをついに認めた。 by Jamie Condliffe2016.10.07

疑惑の血液検査企業セラノスが血液検査の研究所を閉鎖し340人の従業員を解雇すると発表した。

利害関係者への公開書簡で、セラノスは「自社の強みを評価し、弱みに(略)対処していた」とエリザベス・ホルムズCEOは説明した。弱みとは、今まさに閉鎖する臨床研究施設とウェルネス・センターのことだ。

元々ホルムズCEOに十分な選択肢があったわけではない。今夏、米国規制当局はホルムズCEOが自社の臨床研究施設を運営することを禁じた。この決定で、セラノスのテクノロジーは役に立たないと指摘したウォール・ストリート・ジャーナル紙の調査で脚光を浴びたセラノスに大きな問題の連鎖が生じた。研究施設の閉鎖は、企業を存続させるためにホルムズCEOが現実的に取り得る唯一の選択肢だった。

A sign outside the construction site of Theranos HQ in Silicon Valley, way back in 2014.
セラノス本社建設地外の看板(2014年、シリコンバレー)

セラノスは一時期、90億ドルもの評価額がつけられたシリコンバレーの寵児だった。その主張が実を結んだかといえば、実を結んだとはいえるだろう。セラノスは、自社の「エジソン」テクノロジーにより、少し指先を刺すだけで採取できる量の血液で、多くの血液検査ができると主張していた。

しかしこうした主張に説得力はなかった。標準的な血液検査と検査結果が乖離すると証明されてしまい、研究所は血液を室温で保管してすらいないなど、ずさんな事業運営も調査で明らかになった。

セラノスはいわゆるMiniLab(血液のさまざまな検査ができる小型でインターネット接続が可能なカプセル型デバイス)に力を入れている、とホルムズCEOはいう。「当社の最終目標は、がん科、小児科、集中治療室等、特に弱者の患者のために、小規模な標本試験する小型・自動化されたカプセル型ラボを商業化することです」とホルムズCEOは述べている。デバイスは以前の「エジソン」と類似する手法が使われるとみられるが、重大なことに、デバイスがあれば自社のラボを運営する必要はなかったという、いわくつきのテクノロジーだ。

MiniLabが成功しても、セラノスの戦いは終わらない。今の段階ではセラノスの評判はボロボロであり、フォーブスによるとセラノスの価値はゼロだ。

(関連記事:Theranos,“Theranos Promiseda Revolution, but Delivered Dangerous Errors,” “Theranos Unveils “MiniLab” Inventiontoa Skeptical Audience”)

人気の記事ランキング
  1. Promotion Emerging Technology Nite #36 Special 【3/9開催】2026年版「新規事業の発想と作り方」開催のお知らせ
  2. EVs could be cheaper to own than gas cars in Africa by 2040 アフリカでEVがガソリン車より安くなる日——鍵は「太陽光オフグリッド」
  3. RFK Jr. follows a carnivore diet. That doesn’t mean you should. 「肉か発酵食品しか食べない」米保健長官が目指す「健康な米国」
  4. Why EVs are gaining ground in Africa アフリカ初のバッテリー工場も建設中、「次のEV市場」は立ち上がるか?
タグ
クレジット Image courtesy of Steve Jurvetson | Flickr
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る