AI利用のルールづくり目指す、世界経済フォーラムが評議会設立へ
世界経済フォーラム(WEF)は今週、「人工知能(AI)評議会」の設立を発表する予定だ。マイクロソフトのブラッド・スミス社長と中国の著名な投資家カイフ・リーが共同議長を務め、AIの利用とガバナンスに関する各国間の政策的合意点を探るという。 by Will Knight2019.05.29
人工知能(AI)はどう利用され、統制されるべきか。米国や中国、それに他の国々は同意できるのだろうか?
世界の富裕層や権力者らが国際的な問題について議論する年次総会「ダボス会議」で知られる世界経済フォーラム(WEF)が今週、サンフランシスコでイベントを開催する。
AIの専門家や政治家、企業経営者らが一堂に会するこのイベントで世界経済フォーラムは、「AI評議会」の設立を発表する予定だ。評議会の目的は、AIやさまざまな新興テクノロジーの持つ力や可能性を巡って対立が深まっている各国間の政策的合意点を見出すことにある(「トランプvsファーウェイ:世界のイノベーションを止めるのは誰だ」を参照)。
現在の地政学的な風向きを考えれば、これは極めて重要な問題だ。AIは国家の競争力と地政学的優位性において重要だと広く考えられている。合意点を探る試みは、テクノロジーが国家間、特に米国とその巨大な経済的ライバルである中国の関係を悪化させている点でも重要なものだ。
「多くの人々がAIを、経済および地政学的競争というレンズを通して見ています」と話すのは、「スタンフォード人間中心のAI研究所(Stanford Institute for Human-Centered AI)」のマイケル・セリット副所長だ。「(彼らは) データや研究へのアクセスにおいて、自分たちの戦略的優位性を維持する方向で障壁を作る傾向にあります」。
多くの国々が、AIへの予算配 …
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