その統計に疑念あり、米ネット中立性規則巡るFCCの主張に批判
ネットワーク中立性規則の廃止のおかげで情報格差が縮小したというFCCのアジット・パイ委員長の主張が批判されている。根拠となるデータの正確性が疑われているからだ。 by Angela Chen2019.06.04
昨年6月、米国連邦通信委員会(FCC)がインターネット・サービス・プロバイダーがすべてのデータを平等に扱うべきとするネットワーク中立性規則を廃止したことで、ブロードバンド接続がより多くの米国人に提供されるようになったと信じている人がいるかもしれない。しかし、FCCの主張を裏付けるデータの正確性には大いに議論の余地がある。
毎年FCCは、ブロードバンド接続の状況を示す報告書を発表している。この報告書は、接続状況を判断したりブロードバンド整備に向けた数十億ドルもの補助金の分配方法を決定したりする際、政府の主な情報源となっている。2月に発表された今年の報告書の草稿はブロードバンドの利用者数が大幅に増加したことを示しており、FCCのアジット・パイ委員長は「私たちのアプローチがうまくいっている」ことを報告書が裏付けていると主張した(パイ委員長はネットワーク中立性はイノベーションを妨げるため、消費者にとって不利益だと述べている)。活動家らが草稿に誤りを見つけた後、FCCは数字を調整したが、パイ委員長は「新しいデータによって報告書の根本的な結論が変わるものではありません」と言い張った。つまり、情報格差は縮小しているというのだ。
5月29日、FCCは最終報告書を公表した。報告書は依然としてブロードバンド接 …
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