フラッシュ2022年3月16日
-
ブラックホール合体が巨大ガス円盤で起こることを説明=東北大
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東北大学とニールス・ボーア研究所(Niels Bohr Institute)の研究チームは、最近報告されたブラックホール連星の合体が、銀河中心の超巨大ブラックホール周りの巨大ガス円盤内で起こっている可能性が高いことを示した。
2019年5月21日に観測された重力波イベント「GW190521」は、2つのブラックホールの合体によって発生したものと考えられている。だが、ブラックホールの軌道が合体直前に円軌道でない(高い離心軌道を持つ)ことが示唆されており、通常の環境下での合体シナリオでは説明が難しかった。
同研究チームはブラックホールの合体が起こる際の条件として、超巨大ブラックホール周りのガス円盤内のようなブラックホールの軌道が平面内にある程度揃っている状況を考えて、相対論的効果を取り入れた数値シミュレーションを実行。合体するブラックホールが3次元的に空間分布している場合よりも高い確率で、高い離心軌道を持つ合体が起こることを示した。
研究成果は、2022年3月10日にネイチャー(Nature)のオンライン速報版で公開された。ブラックホールの合体は、宇宙進化の解明の手がかりとして注目されており、合体の環境を示唆する今回の研究結果は、今後の重力波天文学の進展に大きな影響を与える可能性がある。
(中條)
-
- 人気の記事ランキング
-
- Is fake grass a bad idea? The AstroTurf wars are far from over. 「一番ましな悪い選択肢」 人工芝の安全性をめぐる 論争はまだ終わらない
- Digging for clues about the North Pole’s past 12万年前は無氷だった?海底22メートルの泥で掘り起こす北極点の謎
- Is carbon removal in trouble? 炭素除去業界に激震、最大顧客のマイクロソフトが購入を一時停止
- NASA is building the first nuclear reactor-powered interplanetary spacecraft. How will it work? 初の原子力推進で火星へ、 NASA「強気すぎる」計画 SR-1はどう動くのか?