
米仏2社
遺伝子療法とゴーグルで
失明治療を治験
失明状態の人の網膜細胞を遺伝子療法で改造し、ゴーグルで光の刺激を与えることで、何らかの視覚が回復する可能性がある。ただし、どんな視覚になるかは実際に試してみないとわからない。 by Emily Mullin2017.02.16
スタートアップ企業2社がエマージング・テクノロジーである光遺伝学と、目に光線を照射できるハイテク・ゴーグルを組み合わせて、失明を治療する臨床試験を始めようとしている。
ジェンサイト・バイオロジクス(本社パリ)とコーネル大学医学部からスピンアウトしたスタートアップ企業バイオニック・サイト(本社ニューヨーク)は、ウェアラブル機器と遺伝子療法を組み合わせて網膜が光を感知する能力を再生し、視力を回復させようとしている。
両社とも、網膜内で光を感知する細胞が破壊される退行性の眼病「網膜色素変性症」の患者を救おうとしている。この手法がうまくいけば、理論的には、光を感知する「光受容体」を失うことで起きるどんな網膜の病気の治療にも適用できる。
光遺伝学(遺伝子療法の一形態)は、従来にはなかった方法で損傷した光受容体をバイパスする、潜在的には非常に効果的な方法だ。科学者は光遺伝学により、光受容体とは別の種類の網膜細胞である神経節に遺伝的指令を加え、光を感知するように変化させる。
ジェンサイトはパリの視覚研究所と協力してカメラとマイクロプロセッサ―、デジタル・マイクロミラー内蔵のゴーグルを開発した。ゴーグルはカメラでとらえた画像を赤い光のまぶしい点滅に変換し、遺伝子操作された細胞を刺激する。
ジェンサイトのベルナルド・ジリー最高経営責任 …
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