KADOKAWA Technology Review
×
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
もう1人の自分になれる——メタバースでスタイリストが活躍中
Gemma Sheppard/Lovespun
人間とテクノロジー 無料会員限定
The metaverse fashion stylists are here

もう1人の自分になれる——メタバースでスタイリストが活躍中

ハイブランドのファッション・ショーなどを見ると、驚くような奇抜な衣装が登場することがある。実際にそれを着て街を歩くことは難しいが、メタバースの世界では真の意味で自由に着飾れる。 by Tanya Basu2023.01.17

ジェニー・スウォボダに会った時、彼女はビーニー帽をデザインしている最中だった。そのビーニー帽の上にはとろけたカップケーキが載っていて、全体に粒状の飾りが散りばめてあって、耳の部分にはドーナツが付いていた。

「きっと現実の世界では絶対にかぶらないようなものです」。スウォボダは笑いながら口にした。しかし、スウォボダは現実の世界で使うためにデザインしているわけではない。メタバースで使うものをデザインしているのだ。スウォボダは、奇妙ながらも急成長中の、新しいニッチなサービスの仕事をしている。バーチャル空間にいる人々のために衣装を作り出したり、選び出したりするファッション・スタイリストだ。

https://twitter.com/Lovespunn/status/1599825599463161856

デジタル生地(デジタル・ファブリック)に触れることはできない。ディセントラランド(Decentraland)やロブロックス(Roblox)といったバーチャル・プラットフォームを利用していなければ、衣装を見ることもできない。それでも、メタバースのヘビー・ユーザーたちが自身のアバターを着飾る上で支援してくれる人を求めるようになり、メタバース・スタイリストの需要はどんどん高まっている。多くの場合、求められるのは個人の期待や、社会的規範に反し、時には物理的性質にまで抗う、実験的で、とびきりクリエイティブなスタイルだ。

https://twitter.com/Lovespunn/status/1599825599463161856

多くのデジタル・スタイリストは、現実世界での仕事とメタバース上の顧客とを両立させている。例えば、ミカエラ・ライツ・アスカランは現実世界で大きめサイズの服のスタイリングをビジネスとして手掛けているが、3Dのバーチャル世界であるディセントラランドに出入りするようになってから、メタバース向けのファッション・スタイリストとして売り出すことを決めた。ディセントラランドにおいて、不特定多数の人々からコーディネートを称賛されたからだ。

同じくスタイリストとして活躍する、英国のリアリティ番組のファション専門家ジェマ・シェパードは、3年前のクリスマスに、自身が名付け親となった女の子から、ロブロックスのアバター用に60ドルのキラキラの靴を買って欲しいと言われた。これがきっかけとなって、バーチャル空間の人々のスタイリングに乗り出した。

しかし、メタバース・スタイリストが全員、現実世界での仕事を持っているわけではない。スウォボダはロブロックスでデジタル衣類やアクセサリーをデザインすることに日々を費やしていて、独自のファッションセンスによってカリスマ的な人気を得ている。人々はお金を払ってスウォボダの教えを請うために列をなしている。

メタバースのファッション・スタイリストは、今のところ、それ一本で生計を立てられる仕事ではない。ライツ・アスカランは、メタバース上でのスタイリングで得られる収入は、良い時で月の収入全体の20%ほどだと話す。ライツ・アスカランもシェパードも、現実世界で複数の仕事をやりくりしている。

それでも、新たなメディアで働き、新たなスキルを磨く、他にはない機会を得られるので、やる価値があるという。ライツ・アスカランは数年前にメタバース上でのスタイリングの仕事を始め、ゲーマーに人気のチャット・プラットフォームであるディスコードで顧客と接するようになった。カタログを作り、顧客がディセントラランドやドレス・エックス(DressX)、オーロボロス(Auroboros …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. A new US phone network for Christians aims to block porn and gender-related content ポルノもLGBTも遮断、キリスト教徒向けMVNOが米国で登場
  2. Musk v. Altman week 1: Elon Musk says he was duped, warns AI could kill us all, and admits that xAI distills OpenAI’s models 「オープンAIを蒸留した」マスク対アルトマン第1週、法廷がざわめく
  3. Will fusion power get cheap? Don’t count on it. 核融合は本当に安くなるのか? 楽観論に「待った」をかける新研究
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る