KADOKAWA Technology Review
×
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
生ゴミを微生物の力でお金に変えるバイオメタン企業
Getty Images
気候変動/エネルギー 無料会員限定
These companies want to tackle food waste with microbes

生ゴミを微生物の力でお金に変えるバイオメタン企業

食料品店などで毎日大量に発生する食品廃棄物を回収する米国企業が10億ドルの資金を調達した。微生物を利用してバイオメタン(再生可能天然ガス)を生産する取り組みを全米に展開する計画だ。 by Casey Crownhart2023.04.18

食料品店のゴミ箱を覗いても、ゴミしか見えない人もいるだろう。だが、金儲けの匂いに気づき始めた人もいる。

米国では、微生物を使って有機材料を分解する「嫌気性消化」というプロセスで食品廃棄物を処理する新しい施設が続々登場している。食品廃棄物問題に取り組む企業であるディバート(Divert)は、この技術を展開するための資金として、エネルギー・インフラ企業のエンブリッジ(Enbridge)から10億ドルの資金提供を受けると発表した。

これにより、エンブリッジはディバートが全米に新しい施設を建設・展開するのを支援することになる。ディバートの共同創業者であり、最高経営責任者(CEO)を務めるライアン・ベギンは、「すべてが計画通りに進めば、米国内の食品廃棄物の合計5%を当社で処理できるようになります」と語った。

米国農務省(USDA:United States Department of Agriculture)によると、米国内だけで毎年約6000万トンもの食品廃棄物が発生しており、これは食品供給量全体のおよそ30%に相当する。世界全体では10億トン近くにもなる。現在、廃棄された食品は一般的に埋め立てられ、腐敗しながら強力な温室効果ガスであるメタンを排出している。発生したガスを回収するシステムを導入している埋立地も多いが、埋立地で発生しているメタンの60%程度しか回収できていないという。

「このような廃棄物を何とかして処理しなければなりません」と語るのは、アルゴンヌ国立研究所のバイオプロセス・反応性分離グループ長であるメルテム・ウルグン・デミルタスだ。食品廃棄物を適切に処理できれば、メタンの発生を防ぐだけでなく、エネルギーや肥料などを生み出すこともできる。

嫌気性消化はその選択肢の1つだが、これは現在、世界中の排水処理場で広く使われているものだ。現在では、農場で発生する家畜の糞尿や廃棄食品など、他の廃棄物の処理に使用するところも増えている。嫌気性消化装置の分野で世界をリードするのがドイツだ。ドイツでは現在約1万基のリアクターが稼動している。米国 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. A new US phone network for Christians aims to block porn and gender-related content ポルノもLGBTも遮断、キリスト教徒向けMVNOが米国で登場
  2. Musk v. Altman week 1: Elon Musk says he was duped, warns AI could kill us all, and admits that xAI distills OpenAI’s models 「オープンAIを蒸留した」マスク対アルトマン第1週、法廷がざわめく
  3. Will fusion power get cheap? Don’t count on it. 核融合は本当に安くなるのか? 楽観論に「待った」をかける新研究
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る