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未来の職種:人工衛星の光害から星空を守る「光跡天文学者」
ALEXANDER WELLS
Job titles of the future: Satellite streak astronomer

未来の職種:人工衛星の光害から星空を守る「光跡天文学者」

人工衛星が反射する光は、地上望遠鏡による宇宙観測の大きな妨げとなっている。今年、観測を開始したベラ・C・ルービン天文台には、衛星による光の筋を観測データから除去したり、衛星による被害を受けにくい観測手順を設計したりする専門家がいる。 by Tereza Pultarova2025.08.31

この記事の3つのポイント
  1. ベラ・ルービン天文台が2025年に宇宙観測を開始した
  2. 活動中の人工衛星が15年前の12倍の1万2000基に増加した
  3. ロウルズ博士は人工衛星による光害対策技術を開発している
summarized by Claude 3

2025年に入って、8億ドルをかけて建設されたベラ・ルービン天文台(Vera Rubin Observatory)が、宇宙の超詳細なタイムラプス映像を作成する10年間にわたる観測を開始した。ルービン天文台は、これまでに建設されたどの天文台よりもはるかに多くの恒星を捉えることができる。同時に、はるかに多くの人工衛星も観測する。天文台の運用開始から最初の10年間で撮影される画像の最大40%が、太陽光を反射する人工衛星によって作られる光の筋(光跡)によって損なわれることになる。

メレディス・ロウルズ博士は、ルービン天文台の望遠鏡の主要観測プロジェクトである、宇宙と時間のレガシーサーベイ(Legacy Survey of Space and Time:LSST)の研究科学者であり、ルービン天文台の科学ミッションを人工衛星による被害から守る任務を負う専門家の一人だ。天文学者の研究対象である微弱な恒星や銀河よりも人工衛星の方が数百万倍明るいため、人工衛星のもたらす被害で観測の困難さが増す可能性がある。衛星が引き起こす突然の増光を天文現象と間違えて天文学者が混乱するかもしれない。

予期せぬ道筋

ロウルズ博士は、2016年にルービン計画に参加した時、自分のキャリアがどのような方向に向かうのかまったく見当がつかなかったと語る。「私は、初期画像を処理し、結果を分析して修正や変更が必要な事項を特定する新しい画像処理パイプラインの構築を支援する博士研究員として雇われました」。

しかし2019年、スペースX(SpaceX)はインターネット配信のスターリンク(Starlink)コンステレーションの展開を開始し、天文学コミュニティは警鐘を鳴らし始めた。スターリンクの人工衛星は軌道が低くて、太陽光をとても強く反射するため、望遠鏡が撮像する画像に明るい光跡を残していた。1年後、ロウルズ博士と数名の同僚は、ルービンと同様にチリにあるビクトル・M・ブランコ望遠鏡の画像を使用して、衛星の光跡が天文観測に与える影響を初めて科学的に評価した。「私たちは人工衛星の光跡がどの程度明るいか確認し、可能な軽減戦略を検討したかったのです」とロウルズ博士は述べる。同博士らのチームは、光跡は圧倒的に明るいわけではないが、それでも科学観測に影響を与えるリスクがあることを見出した。

光跡を除去する

これらの初期の観測以来、人工衛星による「光害」をデータから除去する技術や、明るすぎる衛星が観測を台無しにすることを防ぐ観測手順の設計に焦点を当てた天文画像処理のまったく新しい分野が出現した。ロウルズ博士は、今後数年間で確実に重要性が増し、急速に進歩するこの分野における主要な専門家の一人となっている。

「私たちは、人工衛星を、持続不可能なほど矢継ぎ早により多く打ち上げることで、夜空を根本的に変えているのです」と、ワシントン大学の天文学研究者でもあるロウルズ博士は述べる。

人工衛星による被害を軽減するため、ロウルズ博士らは空の同じ場所の画像を比較して予期しない変化を検出し、それが人工衛星が通過したことによるものなのか、あるいは小惑星や恒星爆発などの自然現象で起こったものなのかを判定するアルゴリズムを設計した。

台頭する勢力

約15年前、地球を周回する衛星はわずか1000基であった。だが、現在では活動中の衛星の数が1万2000基を超えるまでに増加している。そのうち約8000基はスペースXのスターリンクに属するものであるが、他のベンチャー企業も今後数年間で光害問題を悪化させる恐れがある。例えば、米国を拠点とするAST スペースモバイル(AST SpaceMobile)は、ユーザーの携帯電話に直接5G接続を送信するための巨大な軌道アンテナアレイ群を構築している。これらの衛星の最初の5基はそれぞれ60平方メートル以上の大きさで、すでに軌道上にある。非常に多くの光を反射するため、ルービン天文台はそれらの軌道を避けるために観測スケジュールを調整しなければならない状況になっている。

「これまでの初期画像でわかったことは、人工衛星の光害は厄介なものではありますが、科学を終わらせるようなものではないということです」とロウルズ博士は述べ、この問題に対処し続けられると楽観視している。

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フリーランスの宇宙・科学技術ジャーナリスト。
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