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ガソリン高騰でEV人気も、「だから言ったでしょ」と喜べない理由
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Are high gas prices good news for EVs? It’s complicated.

ガソリン高騰でEV人気も、「だから言ったでしょ」と喜べない理由

現在進行中のイランとの紛争による化石燃料価格の急上昇は、人々が電気自動車(EV)に移行する格好のきっかけになるかもしれない。だが、化石燃料価格の高騰はそれだけにとどまらない。私たち全員の生活全般に影響をもたらす可能性がある。 by Casey Crownhart2026.03.31

この記事の3つのポイント
  1. イラン紛争激化によりガソリン価格が急騰し、EV検索トラフィックが20%増加するなど世界的にEV関心が高まっている
  2. 米国では3年前のリース車両約30万台が2026年に満了を迎え、手頃な価格の中古EV供給増加が見込まれる
  3. 化石燃料高騰は輸送コストや航空運賃上昇を通じて車を持たない人々にも経済的悪影響をもたらす
summarized by Claude 3

私は公共交通機関が充実し、駐車場が限られた人口密度の高い都市に住んでいるため、車を所有していない。そのため、ガソリンの価格についてはまったく無知であることが多い。

しかし、イランでの紛争が激化するにつれて、化石燃料の価格がジェットコースターのような状況となり、注意を払うようになった。米国では、3月25日時点で平均ガソリン価格は1ガロン当たり3.98ドル(日本版注:米国の1ガロンは約3.8リットル)となっており、戦争開始前の3ドル未満から上昇している。

ネット上では、電気自動車(EV)所有者を含む一部の人々から、ガソリン価格の急騰についてほとんど応援のような反応が見られる。ソーシャルメディアの投稿論説の中には、ほとんど喜んでいるかのように読めるものもある。その裏にある意味、あるいは明確に述べられている意味は、「だから言ったでしょ」というものだ。

誤解しないでほしいが、これは世界中でEVが前進する機会につながる可能性がある。しかし、車を持たない私たちでさえ、化石燃料価格の持続的な上昇を懸念すべき理由は数多くある。

歴史的に見ても、まさにこうした状況が、人々が移動手段を再評価するきっかけとなってきた。1970年代の石油危機の際、米国人は大挙してより小型で燃費のいい車に乗り換えた。これは日本の自動車メーカーにとって大きなチャンスとなった。日本の自動車は米国の競合他社が製造する自動車よりも、この条件により適していたからだ。

人々がEVに関心を示している初期の兆候がすでに見られている。米国を拠点とするオンライン自動車市場の1社によると、イランへの最初の攻撃後、EVの検索トラフィックが20%増加したという。テスラ(Tesla)の「Model Y(モデルY)」のような人気モデルでは、トラフィックがほぼ倍増した。

この関心は世界的なものだ。ロイターによると、ロンドン郊外のある自動車販売店は需要に追いつくのに苦労しており、スタッフをオークションに送ってより多くのEVを購入している。マニラの別の販売店は、ブルームバーグ(Bloomberg)の取材に対し、2週間で1カ月分の注文を受けたと語っている。

特に米国では、このタイミングは非常に興味深い。手頃な価格の中古EVが市場に出回る時期が間もなく到来するからだ。3年前、インフレ抑制法によってリース・ブームが始まった。同法にはリースを含むEVへの優遇措置が含まれていた。約30万件のそうしたリースが2026年に満了を迎える予定で、これらの車両の多くが売りに出される可能性がある。すると、手頃な価格の中古EVの供給量が増加するはずだ。

関心はあるものの、まだEVに乗り換えていないドライバーが乗り換えるには、何が必要なのだろうか。

きりの良い数字は注意を引く傾向がある。1ガロン当たり4ドルを指摘する人もいる(現在の全米平均はこれに非常に近い)。ブルームバーグNEFのデータによると、このガソリン価格であれば、たとえ電気料金が高くなっても、EVの総所有コストはガソリン車よりも確実に低くなる。

とはいえ、それだけでは十分ではないかもしれない。コックス・オートモーティブ(Cox Automotive)の調査によると、米国の消費者の大部分は、ガソリン価格が1ガロン当たり6ドルに達した場合に、EVやハイブリッド車への乗り換えを検討するという。

しかし、今回は過去5年間で2度目の大きな化石燃料価格変動事件でもあり、消費者が乗り換えに一層前向きになる可能性があると、ハーバード大学のシニアフェローであるエレイン・バックバーグはブルームバーグに語った(1度目は2022年夏のロシアによるウクライナ侵攻時だった)。

気候・エネルギー担当記者である私は、気候変動への対処を重視している。そのため、人々がEVや温室効果ガス排出削減に役立つその他の選択肢に移行する話を聞くのは常に嬉しい。

しかし、ここで見落とされていると思う側面の1つは、化石燃料価格の持続的な高騰は、車両所有の負担から解放されている私たちにとっても悪影響をもたらすということである。燃料費は海外への商品輸送コストの50%から60%を占めている。今日の肥料生産には天然ガスが必要だが、戦争開始以降、特に欧州では天然ガスの価格が大幅に上昇している。

国際航空運送協会によると、ジェット燃料価格は2026年2月、ほぼ倍増した。これらの価格は航空会社の運営コストの約4分の1を占めるため、間もなく航空旅行や飛行機で輸送されるあらゆるものがより高価になる可能性がある。

そして、これらすべてが経済低迷につながる場合、資金調達が必要な大規模プロジェクト(風力・太陽光発電所でさえ)や、住宅や車(EVを含む)を購入するために借金をしたい人々にとって悪影響となる。

車の購入を検討している人にとってはこの不確実性がEVを検討するきっかけになるかもしれない。しかし、交通手段だけでなく経済の他の部分も真に脱炭素化できるまでは、車を持たない私のような人でさえ高いガソリン価格を心配することになるだろう。

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MITテクノロジーレビューの気候変動担当記者として、再生可能エネルギー、輸送、テクノロジーによる気候変動対策について取材している。科学・環境ジャーナリストとして、ポピュラーサイエンスやアトラス・オブスキュラなどでも執筆。材料科学の研究者からジャーナリストに転身した。
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