製造コスト8割減、アリババのAIは小規模ECの調達を変えるか?
何を売るか、どこで作るか——かつて数カ月を要した調達プロセスを数時間に縮めるアリババのAIツール「Accio」が人気だ。製造コストを8割以上削減した事例も生まれ、月間1000万人が利用する。 by Caiwei Chen2026.04.08
- この記事の3つのポイント
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- アリババのAI調達ツール「Accio」が月間1000万人超のユーザーを獲得し、製品調達プロセスを大幅に効率化している
- 従来数カ月要した製品開発から販売開始までの期間が1カ月程度に短縮され、製造コストも大幅削減を実現している
- AIが調達を容易にする一方で、最終的な交渉や事業判断には依然として人間のスキルと経験が不可欠である
マイク・マクラリーは長年にわたり、自身の小規模なアウトドアブランドで、頑丈な黒色の懐中電灯「ガーディアンLTEフラッシュライト(Guardian LTE Flashlight)」をインターネット販売していた。明るさと耐久性を重視して設計されたこの製品は、マクラリーが販売する中で特に人気のある商品の1つとなった。2017年頃に販売を停止した後も、顧客から購入先を尋ねるメールが絶えず送られてきた。
マクラリーは2025年にガーディアン・フラッシュライトの再販を決めたが、昔のように供給業者のリストを調べて工場に問い合わせを送ることはしなかった。代わりに、アリババ・ドットコム(Alibaba.com)の人工知能(AI)調達・研究ツールである「Accio(アクシオ)」を開いた。
米国の小規模起業家にとって、何を売り、どこで製造するかを決めることは、従来、数カ月を要する時間のかかる労働集約的なプロセスだった。現在、この作業には、中国やインドなどの国の製造業者と企業を結びつけるAccioのようなAIツールが使われるようになっている。事業主やeコマース専門家は、MITテクノロジーレビューに対し、これらのAIツールが調達を容易にし、製品のアイデアから発売までの時間を大幅に短縮していると語った。
イリノイ州の自宅のリビングルームから事業を営む51歳のマクラリーは、革コンディショナーからキャンプ用ライトまでさまざまな製品を販売している。ヒット商品の中には、50万ドル以上を売り上げた充電式ランタンがある。多くの小規模なネット商人と同様に、彼は極めて機敏に事業を構築してきた。製品の需要を見つけ、既存のデザインを調整し、工場を見つけ、控えめなマーケティングをして、商品を顧客の手元にすばやく届けるのだ。
しかし今回は、フラッシュライトの元のデザイン、製造コスト、利益率についてAccioに伝えることから始めた。するとAccioは、懐中電灯を小型化し、明るさを若干下げ、充電方式をバッテリー電源に変更するなど、いくつかの変更を提案した。さらに、中国の寧波にある製造業者を特定した。マクラリーによると、製造コストを1台当たり17ドルから約2.50ドルにまで減らせるという。
マクラリーはそこからプロセスを引き継ぎ、修正されたデザインについて話し合うため自ら供給業者に連絡した。1カ月以内に、新バージョンのガーディアン・フラッシュライトは、Amazon.comとマクラリーのブランドのサイトでの販売が始まった。
新しい工場探し
アリババ(Alibaba)は中国最大のショッピング・サイトであるTaobao(タオバオ)を所有することでよく知られている。だが、最初の事業は大量注文を受け付ける中国の工場をリストアップする主要Webサイトである「Alibaba.com(アリババ・ドットコム)」だった。製造業者に注文を出すには、通常「購入」をクリックするだけでは済まない。販売者はしばしば数日か …
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