目の動きでドローン攻撃、
アンドゥリルとメタが組んだ
軍用ARヘッドセット構想
アイトラッキングと音声コマンドでドローンを操り、攻撃目標をAIが提案する——防衛テクノロジー企業アンドゥリルとメタが共同開発する軍用ARヘッドセットの構想だ。陸軍から1億5900万ドルのプロトタイプ契約を受注したが、克服すべき課題は多い。 by James O'Donnell2026.05.19
- この記事の3つのポイント
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- アンドゥリルがメタと共同で、音声・視線操作でドローン攻撃を指示できる軍用ARヘッドセットの詳細を公開した
- 2つのプロジェクトが並行進行中で、LLMやデータ基盤で情報を統合する構想。実用化は2028年以降の見通し
- 情報過多・耐久性・重量・通信環境など技術的課題に加え、AI依存がもたらす誤判断リスクも指摘されている
防衛テクノロジー企業のアンドゥリル(Anduril)は、メタ(Meta)と共同でプロトタイプを開発中の軍用拡張現実(AR)ヘッドセットについて、新たな詳細を公開した。その内容には、アイトラッキングと音声コマンドによるドローン攻撃命令という構想も含まれている。
陸軍特殊作戦コマンドでのキャリアを経てアンドゥリルの副社長としてこの取り組みを率いるクエイ・バーネットは、自身の根本的な目標は「人間を兵器システムとして最適化すること」だと述べている。その構想はまさにサイボーグから着想を得たものだ。バーネット副社長はドローンと兵士が共に視野を共有し、情報をシームレスに共有し、一体となって意思決定を担うことを目指している。
アンドゥリルでは現在、2つのプロジェクトが進行中だ。1つ目は陸軍の「ソルジャー・ボーン・ミッション・コマンド(Soldier Born Mission Command)」、通称SBMCで、同社は昨年、既存の軍用ヘルメットに装着するARグラスをメタと共同開発するための1億5900万ドルのプロトタイプ契約を受注した。さらにアンドゥリルは、2025年10月に発表した自社資金によるサイドプロジェクトにも着手しており、「EagleEye(イーグルアイ)」と呼ばれる独自のヘルメットとヘッドセットの一体型デバイスを設計している。これは軍が要求したものではないが、アンドゥリルは最終的に軍がこれを好み、購入するだろうと主張している。
現時点では、両システムとも実用化まで数年かかる見通しだ。陸軍がSBMCプログラムの最有力候補を生産段階に移行するのは、選定されるとしても2028年以降になる見込みだ(このプロジェクトの前のリード企業だったマイクロソフトは220億ドルの生産契約を受ける予定だったが、グラスの実用性が証明されなかったため最終的に契約が取り消された)。バーネット副社長はMITテクノロジーレビューの取材に対し、アンドゥリルの両プロトタイプの開発方向性について語った。
状況に応じて、どちらのプロトタイプのグラスも特定の情報を兵士の視野に重ね合わせて表示する。それはコンパスのような単純なものから、エリア全体の地図、近くを飛行するドローンの位置情報、あるいはトラックのような目標物のAIによる認識といった複雑なものまで多岐にわたる。
兵士はその後、インターフェースに平易な言葉で話しかける。たとえば、負傷者の避難を命じたり、立入禁止区域を考慮したルートを計画したりする場合だ。この際、大規模言語モデル(LLM)が、兵士の発話をソフトウェアが実行できるコマンドに変換する支援に使用される。アンドゥリルはLLMとして、グーグルのGemini(ジェミニ)、メタのLlama(ラマ)、そしてアンソロピック(Anthropic)のClaude(クロード)を(同社と国防総省との対立にもかかわらず)テストしている。そしてこれらすべての基盤となるのが、アンドゥリルのソフトウェア「Lattice(ラティス)」だ。 …
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