KADOKAWA Technology Review
×
Facebookログイン終了のお知らせ(2026/3/31 予定)
カバーストーリー 無料会員限定
Why We Still Don’t Have Better Batteries

電池のイノベーション
うまくいかない本当の理由

電池系スタートアップは、なぜフル操業に達する以前に計画が頓挫してしまいがちなのか。 by Richard Martin2016.08.30

ARPA-E(米国エネルギー省の「代替エネルギーのための先端研究」プログラム)のエレン・ウィリアムズ・プログラム・ディレクターが7月にガーディアン紙の取材に述べた言葉が見出しを飾った。

ARPA-Eが資金を拠出した75以上のエネルギー貯蔵の研究プロジェクトにはきわめて有望な成果もあるが、コンパクトで低コストなエネルギー貯蔵の聖杯はつかみ所がない状態だ。

かなりの数のスタートアップが、経済的で安全でコンパクトでエネルギー密度が高い、キロワット時あたり100ドル未満でエネルギーを貯蔵できる装置をもうすぐ製造できる段階にある。この価格帯のエネルギー貯蔵にはガルバノ効果(電流の向きが変わることの例え)があり、風が吹くか太陽が照っているときにだけ利用できる再生可能エネルギーを24時間365日、送電網に供給するときの問題を克服し、電気自動車を軽量化し低価格化することになる。

しかし、こうした電池は化石燃料から再生可能エネルギーへの移行を急ぐ必要がある領域で、実際には商用化されていない。新テクノロジーの見込みを大げさに語りがちなテスラのイーロン・マスクCEOですら、そう認めざるを得ないだろう。現状では、電気自動車メーカーは既存のリチウムイオン電池が徐々に性能を向上させることを前提としており、今後大きく飛躍するとは考えていない。

実際、多くの研究者の考えでは、エネルギーの貯蔵方法はリチウムイオン電池ではなく、完全に新しい化学と新しい物理から生まれる。リチウムイオン電池は過去10年間にわたり、家庭用電化製品から電 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. This company claims a battery breakthrough. Now they need to prove it. すべてのパラメーターが矛盾——「出来すぎ」全固体電池は本物か?
  2. OpenAI’s “compromise” with the Pentagon is what Anthropic feared アンソロピック排除の裏で進んだオープンAIの軍事契約、その代償は
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る