KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
採算にめど、二酸化炭素貯留テクノロジーがついにやってくる
photolibrarian | Flickr
ニュース Insider Online限定
The carbon-capture era may finally be starting

採算にめど、二酸化炭素貯留テクノロジーがついにやってくる

地球温暖化対策に有効とされる二酸化炭素貯留テクノロジーはこれまで、採算が合わないとしてあまり顧みられずにいた。だが、米国では2月に成立した法律に基づく税額控除によって、産業部門の温室効果ガス排出を短期間で削減できる可能性が見えてきた。 by James Temple2018.03.13

ドナルド・トランプ大統領が2月に署名して成立した法律に対する予算案は、排出された二酸化炭素の回収・貯蔵に対する非常に大きなインセンティブをもたらす内容となっている。

法律が成立してからエネルギー研究者たちはそろばんを弾いてきた。そして今回の税額控除の拡大により、多くのプロジェクトで長らく採算が合わないとされてきた二酸化炭素貯留テクノロジーが、ついに日の目を見る可能性が出てきたとの結論に達した。

今回の規定により、発電所の改良にかかる莫大な費用を完全にまかなえるわけではないが、支出額が減るのは間違いない。以前は非常に困難だった二酸化炭素排出源からの排出量を、すぐにも削減できる可能性がある。その排出源とは産業部門であり、米国の温室効果ガス排出のかなりの割合を占めている。

「今後数年内に、何十もの二酸化炭素貯留プロジェクトが誕生すると思います。税額控除の拡大がなければ、こんなことは起こらないでしょう」と非営利団体「エネルギーの未来のためのイニシアチブ(Energy Futures Initiative)」のフリオ・フリードマン博士はいう。フリードマン博士は以前、米国エネルギー省の化石エネルギー局で第一副次官補を務めた人物だ。

エネルギー研究者のほとんどが、二酸化炭素の回収・貯蔵こそが、拡大しつつある気候変動の脅威への現実的な対応策のカギになると考えている。複数の研究結果によると、二酸化炭素の回収・貯蔵テクノロジーが実現しなければ、地球の気温が2 ˚C以上上昇するのは避けられない可能性があるという( 「二酸化炭素を完全に回収、「未来の火力発電所」が間もなく稼働」を参照)。

今回の税額控除は、発電所や工場から排出される二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収テクノロジーに等 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る