フラッシュ2022年10月15日
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世界最大規模のゲノムワイド関連解析で身長の遺伝的背景を解明
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]大阪大学などの研究グループは、世界最大規模となる約540万人を対象としたゲノムワイド関連解析を実施し、身長の個人差をもたらす遺伝的背景を明らかにした。
研究グループは、身長や肥満などの身体測定値の個人差に影響する遺伝的背景の解明を目的とした国際共同研究グループである「GIANTコンソーシアム」を通して、世界中から集められた複数人種集団約540万人のデータを取得し、ゲノムワイド関連解析を実施した。その結果、身長の個人差に関係する感受性遺伝子領域約1万2000カ所を同定。これらによって身長の個人差の40%程度を説明できることが分かった。
解析対象となった約540万人のデータは、欧米人、東アジア人、南アジア人、ヒスパニック系、アフリカ系など、多様な人種集団から集めたものだった。異なる人種集団間で、ゲノムワイド関連解析の結果を比較したところ、身長の個人差に関する遺伝的要因が異なる人種間で共通していることが明らかになった。
研究成果は10月13日、「ネイチャー(Nature)」誌にオンライン掲載された。ゲノムワイド関連解析の対象となるサンプル数を変化させてみたところ、300万人を超えたあたりから、説明できる身長の遺伝的要因の割合の増加幅が小さくなっていることが分かった。このことから、ゲノムワイド関連解析でサンプル数を増加させるとしても、その効果には上限があることも分かったという。
(笹田)
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