フラッシュ2023年7月4日
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東北大とNEC、国産量子アニーリングマシン利用で初の共同研究
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東北大学とNECは、国産量子アニーリングマシンを利用した共同研究を開始した。量子アニーリングマシンをインターネット経由で東北大学と接続し、東北大学が保有するベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」と併用して量子アニーリングマシンの用途探索などの研究を進める。
今回の共同研究で使用する量子アニーリングマシンは、NECが産業技術総合研究所(産総研)と共同で開発したもの。8量子ビットから成る。ノイズに強く、量子重ね合わせ状態を保つ時間(コヒーレンス時間)が長いという特徴を持つ超伝導パラメトロン素子を採用し、オーストリアのパリティ・クォンタム・コンピューティング(Parity Quantum Computing)が開発した「ParityQCアーキテクチャ」を取り入れることで、量子ビットが増加しても長いコヒーレンス時間を保持できるようになっている。2022年3月には上記の技術を採用した4量子ビットの基本ユニットの動作実証に成功しており、今回の共同研究ではこの基本ユニットを並べることで8量子ビットとした量子アニーリングマシンを使用する。
東北大学が保有する「SX-Aurora TSUBASA」では、疑似量子アニーリングマシン「NEC Vector Annealing」を動作させ、量子アニーリングマシンと疑似量子アニーリングマシンのそれぞれの特徴を活かせるコンピュータ・アーキテクチャを研究するほか、量子アニーリングマシンならではの用途を探索する。
今回の共同研究では、津波浸水時の人的被害軽減を目指して最適な避難経路を探索するなど、実社会に数多く存在する組み合わせ最適化問題に量子アニーリングマシンを応用すること、量子アニーリングマシンの普及加速を目指すとしている。
(笹田)
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