AI倫理委員会の解散を求めたグーグル社員、報復人事を主張
グーグルのAI倫理委員会の解散を求める活動を主導した人物の1人が、自らを含む活動に参加した従業員が会社から報復を受けていると主張している。
ワイアードが入手し、グーグル社内で広まった電子メールによると、グーグル・オープン・リサーチのリーダーで、研究機関「AIナウ(AI Now)」の共同設立者でもあるメレディス・ウィテカーは、倫理委員会の解散後、職務が「劇的に変わる」ことを知らされた。「会社に残りたければ、AI倫理とAIナウに関する仕事を中止する必要があると言われた」という。
AIナウは設立以来、AIの倫理および社会への影響に関する報告書を発表したり、年次サミットを開催したりして、大きな影響力を持つ存在となっている。その結果、AIに関する他の機関でも活発な議論がされている。グーグルで深層学習の専門家を率いるフランソワ・ショレーは、「メレディスは(中略)、AI倫理、特に機械学習のバイアス、多様性、包摂性における真のパイオニアであり、思想的指導者です」とツイートしている。「メレディスの仕事は、AIファースト企業であるグーグルの使命にとって重要で(中略)、私は彼女が重要な仕事を続けられることを願っています」。
グーグルの広報担当はメレディス共同設立者の主張を否定し、「従業員やそのチームには、通常、定期的に職務変更や組織再編があります。変化するビジネス・ ニーズに対応するためで、報復措置は一切ありません」との声明を発表した。