
「テスラ超え」謳うファラデーの夢のEVは幻に終わるのか?
電気自動車のスタートアップ企業、ファラデー・フューチャー(Faraday Future)が、いよいよ火の車だという。走行可能距離約608km、1050馬力、停止状態から2.39秒で時速約97kmに達する性能を備えるというFF91は、資金不足で実際には製造されない可能性がある。
ファラデー・フューチャーをめぐっては、1年前にも資金難の噂が飛び交っている。MITテクノロジーレビューは、ファラデー・フューチャーは2016年12月ごろには資金を使い果たし、負債が積み上がっている、と報じた。同社は従業員を姉妹会社のルエコ(LeEco)に移して自動運転プロジェクトに取り組ませていたが、それも助けにはならなかった。ルエコは中国人資産家であるジア・ユエティンが設立した企業だ。
だが、Webメディアのバージ(Verge)の最新の報道によると、事態はさらに悪化しているようだ。壮大なビジョンは過剰な雇用と行き過ぎた設備投資をもたらし、スタートアップ企業であるファラデー・フューチャーに大きな打撃を与えた、と記事は指摘している。記事を引用する。
ファラデー・フューチャーの財務状況に詳しい元幹部4人がバージに語ったところによると、12月初旬の時点で新たな現金を調達できなければ、辛うじて2017年末までの給与を払えるほどの資金しか残されていない、という。
記事では、ユエティンが「会社を存続させるために、資金を提供してくれそうな投資家と話し合いをしている」と付け加えているが、ファラデー・フューチャー側の情報筋は「主なスポンサーはユエティンだ」と語っているとも書いてある。悪いニュースは続く。フィナンシャル・タイムズ紙によると、ユエティンは融資の返済に失敗し、中国政府のブラックリストに載っているという。そのため、ユエティンが交渉中だという投資家が実際に支援を申し出ないとなると、本当に立ち行かなくなる可能性がある。
驚くことではないが、バージの調査によると、ファラデー・フューチャーの従業員はすでに退職していたり、残っている従業員もしばしば出社しなかったりする状況だという。資金もなく従業員もいないとなると、車を生産するのは難しい。
- 参照元: Verge、Financial Times
