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米議会、次世代原子炉推進へ関連法案を可決 Advanced nuclear technology just got a big green light from Congress

米議会、次世代原子炉推進へ関連法案を可決

米上院は次世代原子炉の開発を推進する法案を可決した。原子力をより安く、安全に、そして簡単に建設できるテクノロジーを後押しするものだ。

3月7日、上院は原子力革新能力法(Nuclear Energy Innovation Capabilities Act)を可決した。これで民間企業と国の研究機関が直接協力して新しい原子炉を設計し、実証できるようになった。同様の法案がすでに下院を通過しており、まもなくトランプ大統領に諮られる観測が高まっている。

一方で、3月8日、上院エネルギー委員会は次世代型原子力テクノロジー法( Advanced Nuclear Energy Technologies Act)を可決した。2028年秋までに少なくとも4つの次世代原子炉の実証プロジェクトを促進するために、エネルギー省長官に民間企業と契約を結ぶように指示するものだ。

原子力は太陽光や風力とは異なり、電力を常時安定的に供給できる数少ないクリーン・エネルギー源の1つである。高まる気候変動の危機に立ち向かうための不可欠な道具でもある。だが原子力発電業界は、高いコスト、膨大なプロジェクト・リスク、安全性や放射性廃棄物に対する世論への対応といった深刻な課題を抱えている。

たとえば、ニュースケール・パワー(NuScale Power)が開発した小型モジュール原子炉のような新しいテクノロジーは、トータル・コストを大幅に削減する可能性があり、原子力プロジェクトの資金確保はこれまでよりもはるかに容易になりつつある。テレストリアル・エナジー(Terrestrial Energy)のようなスタートアップ企業は、より安全で廃棄物が少ない溶融塩原子炉を開発中だ

中道派のシンクタンクであるサード・ウェイ(Third Way)のクリーン・エネルギー計画担当ジョシュ・フレッド副社長は、原子力革新能力法について次のように述べている。「こうした重要な低炭素テクノロジーを市場にもたらすには、民間と行政が共に取り組むことが必要です。この法案は大きな一歩です」。

現在の政治状況において、二酸化炭素の回収・貯蔵テクノロジーに対するこれまで以上の大規模な税額控除の可決、蓄電池市場の拡大を保証する連邦エネルギー規制委員会の命令に続く、最近のクリーン・エネルギー政策の驚くような進歩を示す最新の例だ。

ジェームス・テンプル [James Temple] 2018.03.12, 18:49
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