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米国の空港で導入が進む顔認証ゲートに法的問題の恐れ Airport Face Scanning Skates on Thin Legal Ice—and Doesn’t Work Too Well

米国の空港で導入が進む顔認証ゲートに法的問題の恐れ

このホリデーシーズンの旅行では、プライバシーが侵害されるかもしれない。ヒューストンからボストンまでの10以上の空港で、米国国土安全保障省(DHS)は不法滞在ではないことを確認するために顔認証システムを使用している。

だが、ジョージタウン大学プライバシー・テクノロジー・センターの新たなレポートによれば、顔認証システムは米国市民のプライバシーを侵害する可能性があるという。

レポートは「明確な許可なしに、DHSは国際線での出発の際に米国人の顔を撮影すべきではない」と指摘している。だが、人々が空港ターミナルを通過する際に「そのような許可が無くとも、DHSは撮影している」と続けている。また、DHSは「空港での顔認証プログラムを導入するにあたり、連邦法の定めるルール整備の手続きを踏むことを怠っており、その手続きにすら入っていない」としている。顔認証システムに関するあらゆる懸念について、これまでMITテクノロジーレビューでも取り上げてきた

結局のところ、このテクノロジーはあまりうまく機能していない。システムは「正当な滞在許可を受けている25人に1人を誤って不法滞在者としている」とレポートでは指摘している。ジョン・F・ケネディ国際空港では、1日に1632人もの乗客が足止めされ苦痛を味わされている計算だ。また、女性とアフリカ系米国人が摘発されることが多く、これはAIの機械学習データにおける偏見問題を浮き彫りにしている(「FBIの人種差別的な顔認識システム」参照)。

最悪なことは、DHSがこの顔認証システムの使用による直接的な成果を何もあげていないらしい、ということだ。成果は、このクリスマスに、空港のカメラに向かって微笑む旅行者を記録しておくだけとなるかもしれない。

ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2017.12.23, 13:00
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