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米政府がサイバーセキュリティで新組織、重要インフラに照準
American Public Power Association | Unsplash
America is launching a new body to tackle cyber threats to key infrastructure

米政府がサイバーセキュリティで新組織、重要インフラに照準

米政府の新組織「国家危機管理センター(National Risk Management Center)」は、電力送電網から選挙制度にいたるすべてを標的とするハッカーの封じ込め対策を取りまとめる予定だ。

米国国土安全保障省(DHS)が新組織の設立に動いている。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。新組織の目的は、経済的に重要な分野をサイバー攻撃から防御する対策の強化である。すでにDHSは、ハッカーにとって魅力的な標的となっている16分野を選定している。

これら重要分野に新たなサイバー危機が起きないとは言えない。というのも、ロシアのハッカーが発電所や、その他のエネルギー関連のインフラを標的にするのではないかとの懸念があるからだ。米国の中間選挙で使われる技術を破壊するのではないかとの懸念もある。 さらに今年、アトランタを大混乱に陥れたようなデータを暗号化して使えなくするランサムウェアの脅威も、我々は目の当たりにしている。

トランプ政権は国家のサイバーセキュリティを担うホワイトハウスの役割を廃止し、国家の重要インフラを標的とした脅威への対応を取りまとめる権限について混乱を招いたとして非難されている。今回の新組織立ち上げは、この批判を封じ込めるための試みなのだ。

新組織の構想は、企業がDHSや他の機関と自発的に協力し、直面する危機に対処する協調性あふれた対策を開発するというものだ。新組織にはDHSの職員が配属され、新組織への協力を申し出た民間企業にも職員が派遣される予定だ。米国が直面するサイバー危機に関する深刻な懸念を考えれば、官民協調は積極的に進めるべきだろう。

マーティン ジャイルズ [Martin Giles] 2018.08.02, 11:55
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