イスラエル初の月面探査機、打ち上げに成功
イスラエルの宇宙船が2月21日、スペースXのロケットであるファルコン9(Falcon 9)によって無事打ち上げられた。
イスラエルの民間団体スペースIL(SpaceIL)は、月探査機「ベレシート(Beresheet)」を米国東部時間2月21日午後8時45分に打ち上げ、月への40日間にわたる旅を開始させた。スペースXからのライブ放送中、スペースILがベレシートからの信号を受信し、着陸脚が展開されたことが確認された。
ベレシートはファルコン9の主要なペイロード(積載物)であるインドネシアの通信衛星ヌサンタラ・サトゥ(Nusantara Satu)と一緒に打ち上げられ、ヌサンタラ・サトゥは問題なく配備された。スペースXはさらに、着陸には困難な状況だと考えられていたにも関わらず、第1段ブースターを大西洋上でドローン船によって回収した。着陸時の動画からは底部の熱シールドから火花が散るのが見られた。スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のツイートによると、それは「これまでで最高温度の再突入時の加熱」によるものだったという。ブースターの打ち上げ及び回収はこれが3度目で、次の打ち上げは4月に計画されている。
向こう1カ月間、スペースILのベレシートは一連の段階的なループ(地球からゆっくりと遠ざかる楕円軌道)を描きながら飛行し、月の軌道内に到達する。その後6日間かけて、月の周りを回りながら着陸態勢に入る。最初の着陸チャンスは4月11日にやってくる。これが成功すれば、イスラエルは宇宙船のソフトランディング、つまり月面に衝突せずに着陸を成功させた4番目の国ということになる(「『民間初』の月面着陸目指す イスラエル探査機が打ち上げ」参照)。