KADOKAWA Technology Review
×

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

パリ協定の努力目標「1.5℃」 5年以内に上回る可能性
Heather Emond | Unsplash
The planet could hit 1.5 °C of warming inside the next five years

パリ協定の努力目標「1.5℃」 5年以内に上回る可能性

2022年より前に、地球の気温が一時的にパリ協定の目標値を超える可能性がある。

英国の天気・気候予測機関である英気象庁(Met Office)は、世界の年間平均気温が今後5年間で、産業革命以前の水準を1℃上回る可能性があるとの最新の予測を発表した。これまでの予測通りの温暖化現象だ。

だが、気がかりな異常値がある。今後5年間のうちの少なくとも1年間、世界の平均気温が産業革命以前の水準を1.5℃上回る可能性が10%あると予測しているのだ。もし1.5℃上回れば、海水温が異常上昇するエルニーニョ現象が同時に発生する可能性が高い。

パリ協定は世界の平均気温の上昇を2℃未満、できれば1.5℃未満に抑えることを目標にしている。上限を超えれば、海面の上昇、干ばつ、異常気象などの影響が出ることになる。気温の一時的な急上昇は、それ自体が単独で非常に厄介な問題だというわけではない。しかし、二酸化炭素排出がこのまま続くと、それが「一度限り」から「よくある」事象になってしまうだろうと、英国気象庁は警告している。

ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2018.02.02, 19:18
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る