切断されても動き続ける世界初のヒトデ型ロボット
いざとなったら体の一部を切り落としてでも仕事が続けられるロボットなら、人間が入っていけない危険な場所での仕事を任せられるかもしれない。
東北大学と北海道大学の研究チームは、想定外の故障にすばやく対応できる移動ロボットを開発した。ヒントになったのは、体の一部を失っても動けるクモヒトデの生態である。棘皮(きょくひ)動物であるクモヒトデには、脳のような高度な情報処理を担う中枢神経系がない。放射神経と呼ばれる単純な神経系しかないにもかかわらず、5本の柔軟な腕を協調させて移動し、外敵に襲われるなどして腕を失ったときも、残った腕だけで移動できる。
研究チームは、腕を除去あるいは短くしたクモヒトデの観察結果をもとに、「各腕が環境から進行方向側に反力を受けたときにのみ地面を蹴る」という、極めてシンプルな数式で記述される自律分散制御則を設計。この制御則をクモヒトデ型のロボットに実装したところ、5本ある腕(脚)が破壊されても数秒以内に適応して動き続けることができた。
地震や台風など災害大国とも呼ばれている日本では、災害時に救援活動をするロボットが期待されている。ロボットが未知の環境下で自律的に動き回るには、故障にもその場で適応し、移動能力を維持する仕組みが必要だ。今回の研究はその実現へ向けた一歩となりそうだ。
- 参照元: 東北大学
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