シリコンバレーはもう終わったのか?
イノベーションの発信地がその全盛期を終えたとの主張は、行き過ぎている。
「シリコンバレーは終わった」。ニューヨーク・タイムズ紙は3月4日に掲載した記事で、こう宣言した。要点はこうだ。十数人のベンチャー投資家が米国中西部(ミシガン州デトロイトからインディアナ州サウスベンド)をバスツアーで訪れた。投資家らは「シリコンバレーのバグを発見」し、「中西部への移転について思い描き」始めていた。記事によれば、一部の起業家やテック・リーダーの間でシリコンバレーを出てゆくときが来た、とのムードが広がっているという。だが、誰もがそう確信しているわけではない。
ブルッキングス研究所のマーク・ムロ都市政策担当所長は、デトロイトが新たなシリコンバレーになるには時間がかかると見ている。ムロ担当所長はツイッターで、「(イノベーションの)中核都市が本当に実行可能なテクノロジーと高い価値を持つ成長の中心地になるには、相当な努力が必要です」とツイッターで説明している。
アメリカ起業家センターのイアン・ハサウェイ研究所長は、ニューヨーク・タイムズ紙に対する恰好の反論を書いている。ニューヨーク・タイムズ紙の記事の主張は、「シリコンバレーの凋落はそれ以外の人にとって大きな勝利になる」というものだが、イノベーションはゼロサムゲームではないので、そのロジックは当てはまらないという。シリコンバレーは才能ある人材と資金を引き付け続けるだろうし、他の都市がたとえ人材や資金を集められてもそれは変わらないだろうと、ハサウェイ所長は述べている。
言い換えれば、シリコンバレーにとっては競争が十分に激しいほど好都合であり、競争が激しくても成功は続くということだ。
- 参照元: NYT
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