KADOKAWA Technology Review
×
「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集中!

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

HIV感染を防ぐインプラント、メルクが試作
Merck
This implant could prevent HIV infection

HIV感染を防ぐインプラント、メルクが試作

小さなインプラント(埋め込み機器)でヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染を1年間防げるかもしれない。ニューヨーク・タイムズ紙が報じている。

このインプラントは、マッチ棒サイズのプラスチック製チューブで、腕の皮下に挿入し、抗HIV薬をゆっくりと放出していく。

HIVを持っていない人でも、抗HIV薬を毎日服用し続けることで感染を予防できる。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、このような「PrEP(プレップ:曝露前予防内服)」はHIV感染のリスクが高い人のためのものだ。

HIV予防インプラントのアイデアは、プレップの簡易化を目的としている。数カ月かけて少しずつ抗HIV薬を放出するので、薬の定期的な服用の煩わしさから解放される。避妊用インプラントと同様のアイデアだ。

メルク(Merck)が開発したこの装置は、12人の男性を対象にした3カ月間の予備試験が実施された段階だ。試験では、イスラトラビル(Islatravir)という長期間作用する抗HIV試験薬が使われた。メルクは7月23日、メキシコシティで開催されたHIVに関する学術会議プロトタイプを発表した

ただし、プレップ薬によりHIVウイルス感染の心配から解放される一方、クラミジアや淋病など他の性感染症を頻繁に発症する可能性がある。これは、今年4月に発表された4375人の同性愛者およびバイセクシャルの男性を対象に実施したオーストラリアのある調査によって報告された。

アントニオ・レガラード [Antonio Regalado] 2019.08.16, 6:47
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る