KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
カバーストーリー 無料会員限定
Despite the Hype Over Gene Therapy, Few Drugs Are Close to Approval

遺伝子治療は騒がれすぎ? 臨床試験中はごくわずか

遺伝子治療の早期臨床試験は数多くあるが、後期臨床試験は数えるほどしかない。 by Emily Mullin2016.09.30

医療分野のほとんどの専門家が、遺伝子治療の時代がついに訪れたという。だが、遺伝子治療の数を見ればどうも話が違うと気付く。30年間に及ぶ研究と、拡大した現在の流通ルートにもかかわらず、後期試験を終了または現在後期試験中の遺伝子治療の臨床試験はほんの数件しかない。

病気の原因になる欠陥がある遺伝子を修正するために、遺伝子を入れ替えたり追加したりする遺伝子治療の概念は、1990年に初めて臨床試験に進んだ。命を救う手法としてニュースの見出しになり、派手にもてはやされた。そして1999年、試験的な遺伝子治療で初めて患者が死亡する、ぞっとする出来事が起きると、当初の興奮はしだいにしずまっていった。

事故の記憶が薄れた現在、遺伝子治療を試験する何百という臨床試験で、志願者が募集されている。最近の試験の早期段階でのデータは、いくつかの特定の病気に的を絞った遺伝子治療にとてつもない希望の光をあてた。血友病が完治したり、滅多にない種類の先天性の失明が完治したりする患者が現れたのだ。

しかし、遺伝子治療の大多数は第I相試験段階にあり、多くの患者の治療には使われていない。米国政府の臨床試験データベース(最終的に米国食品医薬品局(FDA)から試験中の治療の認可を取得したい研究者は、当該臨床試験をこのサイトに登録しなければならない)によると、第III相、または第IV相の後期遺伝子治療試験で積極的に患者を受け付ける、もしくは志願者を募集しているのはたったの6件に過ぎず、他に5件の後期試験が完了しているだけだ。

早期臨床試験は安全性の確立が目的だが、より …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る