KADOKAWA Technology Review
×
夏割実施中!購読料20%オフ。
Google’s Assistant Is More Ambitious Than Siri and Alexa

Siriとアレクサを倒す
グーグルの強みは検索

グーグルは、バーチャルアシスタントでユーザーのスマホやテレビ、自宅を制御しようとしている。 by Tom Simonite2016.10.05

火曜日、検索エンジン大手のグーグルは、新型スマホ「ピクセル(Pixel)」と、いつでも手近に音声操作ヘルパー「グーグル・アシスタント(Google Assistant)」を利用できるホームスピーカー「グーグル・ホーム(Google Home)」を発表した。ポケットの中やサイドテーブルの上からリビングルームの壁掛けテレビまで、グーグルはひねりのない名前のバーチャルアシスタントでユーザーを取り囲もうとしている。

グーグルはテレビ用デバイス「クロムキャスト」等の既存サービスや製品とグーグル・アシスタントをどう統合するかも提示した。グーグルがアップルのSiriやアマゾンのアレクサに追い付こうと必死なのは明らかであり、グーグル・アシスタントの能力を競合製品より高めようとしている。

グーグルの新型スマートフォン「ピクセル」はアシスタント向けに開発されたが、Siriへの対抗もあって、主にアップルのiPhoneの特徴を残している。ピクセルはサンフランシスコのイベントで「グーグル・アシスタントが内蔵された最初のスマホ」として発表された。ユーザーがスマホで何をしていても「オーケー、グーグル」と言うか、ホームボタンを押せば、アシスタントが呼び出され、質問に立て続けに答えたり、交通状況に合わせた経路を答えたりする。

グーグルブランドの従来のスマートフォンと同様、ピクセルの画面サイズは5×5.5インチで、Android OS搭載のデバイスを製造する他の企業と同じ構成を採用すると考えられている。グーグルの望みはアシスタントを普遍的存在にすることだ。

グーグル・ホームは、アマゾンのスピーカー製品「Echo(エコー)」と内蔵型アシスタント「アレクサ」の組み合わせにグーグルが対抗して生まれたスピーカー製品だ。エコー同様、グーグル・ホームには室内でユーザーの音声指示を聞き取るマイクロフォンが付いており、音楽を再生したり、照明を調節したりできる。

グーグルの言い分では、検索エンジンには世界に関する知識がたくさんあるので、アシスタントはアレクサやSiriよりもずっと賢いという。発表イベントではグーグル幹部が「ズートピアからのシャキーラの曲が聞きたい」という指示に対して、アシスタントが正確に楽曲を再生する様子を実証(アレクサには処理できない要求)してみせた。またアシスタントは、グーグル・マップによって、地元商店街の詳細な情報を答えたり、最適な経路を助言したりできる。

グーグルが既存の製品やサービスに投資すれば、そのぶんアシスタントの能力も高まる。アシスタントはグーグルの写真サービスとも統合されており、「去年の12月の私の雪の写真を見せて」といった指示にも対応できる。もしクロムキャスト(3000万台販売)を持っていれば、テレビに接続し、アシスタントに制御を頼める。スマートフォンやホームデバイスに「オーケー、グーグル、テレビで『ストレンジャー・シングス』が見たい」といえば、ネットフリックスのヒットシリーズが再生されるわけだ。

MIT Technology Reviewは、グーグルがアシスタントを主要インターフェイスにする以前から、検索エンジンとバーチャルアシスタントはビジネスモデル的に相性が悪いことに言及している。しかしそれ以上に(アレクサとSiriをかわすには)グーグルの最大の課題はグーグル幹部がステージ上で見せるデモ同様にアシスタントを簡単で魅力的にすることだ。バーチャルアシスタントは、開発元がいうほど頻繁かつ広範囲には使われていない。たとえば、調査によればほとんどのiPhoneでSiriが使われるのは極めてまれだ。

(関連記事:“How Assistant Could End Up Eating Google’s Lunch”)

人気の記事ランキング
  1. How lasers could help provide fuel for nuclear reactors 核廃棄物は「地上ウラン鉱山」、レーザー濃縮で再生を狙う
  2. How an overlooked geothermal plant got a second chance もっと深く掘れ——採算割れの地熱発電所を米新興企業が再生
  3. OpenAI called the Hugging Face attack unprecedented. But we’ve been here before.  「AIの暴走」ではない、オープンAIのモデルが不正侵入した理由
トム サイモナイト [Tom Simonite]米国版 サンフランシスコ支局長
MIT Technology Reviewのサンフランシスコ支局長。アルゴリズムやインターネット、人間とコンピューターのインタラクションまで、ポテトチップスを頬ばりながら楽しんでいます。主に取材するのはシリコンバレー発の新しい考え方で、巨大なテック企業でもスタートアップでも大学の研究でも、どこで生まれたかは関係ありません。イギリスの小さな古い町生まれで、ケンブリッジ大学を卒業後、インペリアルカレッジロンドンを経て、ニュー・サイエンティスト誌でテクノロジーニュースの執筆と編集に5年間関わたった後、アメリカの西海岸にたどり着きました。
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る