ユビキタス

Facebook Begins Its Push to Make Us Socialize in Virtual Reality フェイスブックとオキュラス
ソーシャルVRで融合へ

マーク・ザッカーバーグCEOがヘッドセットを身につけ、なぜユーザーがバーチャル空間で友人とたむろしたいと思うかを示した。 by Tom Simonite2016.10.07

フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグCEOが10月6日の朝、妻のプリシラ・チャンと犬と一緒にいる様子を投稿した一風変わった自撮り写真は、何百万いや何十億ものフェイスブックユーザーが実質現実で友人と楽しく過ごす未来を予感させた。

写真は、ザッカーバーグCEOが登壇したカリフォルニア州サンノゼのイベントで、フェイスブックがオキュラスのVRゴーグル「オキュラス・リフト」用に開発中のソーシャルアプリのデモの一環として撮られた。ゴーグルを装着し、脚のないアバターで若い見た目のザッカーバーグCEOを操作し、ザッカーバーグCEOはマンガ風に加工された2人の部下とおしゃべりをした。

億万長者のザッカーバーグCEOは、自宅の部屋の360度配信動画に「テレポート」し、動画チャットで妻とコミュニケーションする、かつてない家族写真を発表した。実質現実(VR)空間内の自撮り棒を操作し、12月に発売予定のオキュラス・タッチのモーションコントローラーで写真が撮影された。

ザッカーバーグCEOが見せた体験は、今のところ研究段階だ。手話のような特殊な操作で、ユーザーのアバターを笑わせたり、驚いて口を開けさせたり、困った顔にさせたりできる。しかし、この日、オキュラスVRは、ソーシャルVRによる最初の実世界への進出も発表した。

新機能の「オキュラス・ルームズ」により、ユーザーは一種の疑似クラブルームに集まり、ポーカーなどのカードゲームをしたり、音楽を聴いたり、球技や会話を楽しんだりできる。クラブルーム内では、ソーシャル機能のある別のVRアプリにも簡単に移動できる。たとえば、Huluのアプリで遠くの友人と映画やテレビを一緒に見られるのだ。

オキュラス・ルームズの機能は、部分的にもうじきGear VRゴーグルで利用できる。より機能が充実したバージョンは来年、オキュラス・リフトと専用の高性能モーションコントローラーで使えるようになる。

オキュラスVRは、実質現実空間で自分の見た目を細部にわたってカスタマイズできる新システムも発表した。12月に発売される「オキュラス・アバターズ」システムは、コンテンツ開発者が使えるように開発中だ。(実質現実的に)火星を探索するときも、チャットルームにいるときも、見た目を同じにできるのだ。

ザッカーバーグCEOのソーシャルVR構想は、今や約17億人が利用するフェイスブックの将来展望より、実現には長い時間がかかるかもしれない。ソーシャル・ネットワークは、既存の社会的な繋がりと、そのターゲット市場にいる多くの人が既にインターネットにアクセスしている現実を基に構築することで、急速に成長した。

一方、オキュラス・リフトのゴーグルとコントローラーを使い始めるには、専用機器や性能の高いPCの費用として、1600ドル以上がかかる。

フェイスブックのソーシャルVRへの取り組みを指揮するマイケル・ブースは、今のVRゴーグルの不人気を問題にする必要がないという。実質現実空間のユーザーが、従来のプラットフォームにいる人と体験を共有することで、現在、VRのソーシャル化が、より価値のあるものになる見通しを示しているとブースはいう。

この日のマーク・ザッカーバーグCEOが仮想チャットルームでフェイスブックのビデオチャットを使おうとする手法は、ひとつの手本だ。この日発表したソーシャル・ネットワーク機能も、オキュラス・リフトやGear VRの動画でフェイスブックの友人に実質現実の体験を届ける可能性を示した。

ブースは、これらの機能によって、現在ハードウェアを持っているユーザーにはソーシャルVRが見返りとなり、多くの人を実質現実体験に必要な機器の購入に突き動かすだろうという。「最終的な目標は、母親に会いに何千キロも飛んでいこうと思うような環境をつくること、つまり実質現実の世界に飛び込めば、瞬時に一緒にいるような気持ちになってもらうことです」という。

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トム サイモナイト [Tom Simonite]米国版 サンフランシスコ支局長
MIT Technology Reviewのサンフランシスコ支局長。アルゴリズムやインターネット、人間とコンピューターのインタラクションまで、ポテトチップスを頬ばりながら楽しんでいます。主に取材するのはシリコンバレー発の新しい考え方で、巨大なテック企業でもスタートアップでも大学の研究でも、どこで生まれたかは関係ありません。イギリスの小さな古い町生まれで、ケンブリッジ大学を卒業後、インペリアルカレッジロンドンを経て、ニュー・サイエンティスト誌でテクノロジーニュースの執筆と編集に5年間関わたった後、アメリカの西海岸にたどり着きました。
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