スタートアップ企業はどうすれば規制の強い分野で事業化できるのか?
1776のレイチェル・ハオトは、起業家が規制への対応の仕方を学ぶには、政府職員と一緒に過ごすことだと語る。 by Jamie Condliffe2016.10.20
ある人が、新しいSNSや人工知能による自動翻訳ツールを作る、あるいはテクノロジーを利用した食料品配達サービスを始めるとしよう。この種の事業を始めるに当たって順守すべきルールはあまり多くない。しかし、もしそのスタートアップ事業が医療や金融、教育といった分野に関わっていると、手続きはもっと面倒だ。
「(これらの事業分野には)人間にとってとても重要で本質的な需要があるため、政府が介入するのです」 とスタートアップインキュベーター1776のレイチェル・ハオト社長は水曜日、EmTech MIT 2016での講演でそう説明した。規制が設けられるのは必然的なことだ。「政府は人々の権利と安全を守らなければなりませんから」 とハオト社長はいう。

問題は、スタートアップ企業は規制に対する認識が甘い場合が多いことだ。事業のアイディアは優れているかもしれないが、その実現を阻む煩雑なルールについてはよく知らない。ハオト社長によると、1776は厳しい規制のある分野で事業を展開するスタートアップ企業に助言やアドバイスを提供し、支援している。
ハオト社長は1776が力を発揮する事例として、調達(大企業や政府が商品やサービスを購入する際の公式手続き)を挙げた。調達関連の規制は汚職の発生を防ぎ、リスクを抑えるためにある。購買者は規制によって、当該事業者が製品やサービスの引き渡し前に廃業しない確証が得られる。
「これらの要求はかなり大きな障害です。より安価で優れたサービスを提供するスタートアップ企業が、調達手続きに参加できないかもしれません」とハオト社長はいう。
このような課題を乗り越えるため、1776は従来のインキュベーターの事業モデルに従うことを避け、代わりに自らをある種の「大学キャンパス」とみなすことにしたと、ハオト社長はいう。1776は起業家やイノベーターに対して、政府職員とネットワークでつながり、それぞれの事業分野にとって重要な規制について学習する機会を提供している。
1776はこうして、「お役所仕事」の負担を軽減してくれるのだ。
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| クレジット | Photograph by Justin Saglio |
- ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
- MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。