KADOKAWA Technology Review
×
たった1年で7割が溶けた
暗号通貨業界の2018年
Ms. Tech
ニュース 無料会員限定
Cryptocurrencies crashed in 2018. Now they’re right where they should be.

たった1年で7割が溶けた
暗号通貨業界の2018年

ビットコインの価格はわずか1年で70%も下落した。ビットコインだけではない。すべての暗号通貨が暴落した2018年、暗号通貨の世界で何が起こったのか。 by Mike Orcutt2018.12.28

1年で物事は大きく変わるものだ。2017年末時点で、世界の暗号通貨の価格は合計で6000億ドルを超えていた。それが今では、約1300億ドルだ。2017年12月31日にビットコインを約1万3750ドルで購入し、それをいまだに持ち続けている人は、当初の投資額の約70%を失った。この修羅場を逃れられた暗号トークンは1つとしてなかった。投資家たちは出口へと走り、ICO(Initial Coin Offering:新規暗号通貨公開)プロジェクトはハエのように落下している。

何が起きたのか。端的に言えば、2018年は暗号通貨にとって悪いニュースだらけだったからだ。暗号通貨が金のチケットだという考えは薄れ、デジタル・マネーの未来についての不確実性と混乱がそれに取って代わってしまった。

世界中に激震が走ったコインチェック事件

それは1月に始まった。日本の人気暗号通貨交換所「コインチェック」がハッキングされ、5億ドルが盗み出された。この事件は、誕生したばかりの暗号通貨産業を破滅的な状況に追い込んだ、2014年のマウントゴックス(Mt. Gox)の崩壊と比較された。皮肉なことに、マウントゴックス事件に反応した日本政府が世界で初めて暗号通貨交換所を規制していたおかげで、暗号通貨業界は以前よりも成熟しており、大崩壊を防ぐことができた。だが、そのことこそが、このハッキング事件の不安な点だった。新たな規制は、第2のマウントゴックスを生み出さないためのものだったからだ。蓋を開けてみれば、コインチェックは規制猶予を受けてライセンスなしで運営されていた。残る疑問 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. We finally have a definition for open-source AI 「オープンソースAI」問題ついに決着、OSIが定義を発表
  2. Here’s how people are actually using AI カネにならない生成AIブーム、LLMはどう使われているか?
  3. The US physics community is not done working on trust 物理学界で繰り返される研究不正、再発防止には何が必要か
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る