KADOKAWA Technology Review
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ケーブルも電池も不要、
ゲイツ財団も出資する
パッチ型新生児モニター
Northwestern University
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Stick-on sensors will let premature babies get the skin contact they need

ケーブルも電池も不要、
ゲイツ財団も出資する
パッチ型新生児モニター

早産児を注意深く見守るために取り付けられたケーブルは、両親と赤ちゃんとの肌の触れ合いを奪ってしまう。ノースウエスタン大学の研究チームが、そんな状況を改善する貼り付け型の無線センサーを開発した。 by Charlotte Jee2019.04.17

全体の1割を超える赤ちゃんが、早産で生まれる。小さくて虚弱な早産児は、たいていは病院の保育器の中で、適正な温度を保ちながら注意深く監視する必要がある。

小さな早産児が多くのケーブルにつながれ、医療機器に取り囲まれているのは、胸の痛む光景だ。だが、新たなモニタリング・システムのおかげで、こういったケーブルは不要になるかもしれない。新型モニタリング・システムは直径わずか数センチの非常に薄い2枚のパッチで、新生児の胸と足に貼り付けて使用する。

ノースウエスタン大学の学際研究チームが開発したこの装置は、透明なバンドエイドに似た外見だ。新生児が発するあらゆるバイタルサインを追跡するセンサーを搭載している。ケーブルも電池も使わない、世界初の新生児用モニタリング・システムだ。

装置には近距離無線通信(NFC)チップが埋め込まれており、すべてのデータを装置内で収集し、処理した後、Bluetoothで外部装置へ送信する。センサーの電力供給にはワイヤレス電力伝送を使う。

システムはすでに、シカゴにある2つの病院で60人以上の新生児に対して試験 …

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