英国、国内5Gネットワークへのファーウェイ参入を許可
今回の決定によって英国は、米国と対立することになる。米国では2018年8月に、政府機関が中国企業であるファーウェイの通信機器を使用することを禁じ、それ以降、同盟国に対し、同様の措置を講じるよう圧力をかけているからだ。 by Charlotte Jee2019.04.26
今回の決定によって英国は、米国と対立することになる。米国では2018年8月に、政府機関が中国企業であるファーウェイの通信機器を使用することを禁じ、それ以降、同盟国に対し、同様の措置を講じるよう圧力をかけているからだ。
テレグラフ紙が伝えるところによると、テリーザ・メイ英首相は4月23日、ファーウェイが英国の次世代モバイル通信「5G」のネットワーク構築に参入することを認めた。ただし、ファーウェイの役割は、アンテナや基地局などの「非中核」機器の提供に限定される。この決定は閣僚会議で認められたが、少なくとも5人の閣僚が異議を唱えたとされている。
2018年8月にオーストラリアは、ファーウェイの機器を5Gネットワークに組み込んで国家安全保障上のリスクを管理することは不可能であると結論付けた。10月には、オーストラリアの主任諜報員の1人であるマイク・バージェスが、中核テクノロジーと非中核テクノロジーとの差は、5Gによってだんだん意味がなくなっていると主張した。同氏によると、5Gの低遅延通信を活用するために、「機密性の高い機能」が中核テクノロジー以外に移行し始めているのが理由だという。一方で英国は、今回の決定に至った理由をまだ説明していない。
ファーウェイは、中国政府の命令に従って行動することはないとして、米国の言い分を繰り返し否定し、中国に技術的な遅れを取っていることを恐れた米国による魔女狩りの犠牲になっていると主張している。
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- シャーロット・ジー [Charlotte Jee]米国版 ニュース担当記者
- 米国版ニュースレター「ザ・ダウンロード(The Download)」を担当。政治、行政、テクノロジー分野での記者経験、テックワールド(Techworld)の編集者を経て、MITテクノロジーレビューへ。 記者活動以外に、テック系イベントにおける多様性を支援するベンチャー企業「ジェネオ(Jeneo)」の経営、定期的な講演やBBCへの出演などの活動も行なっている。