KADOKAWA Technology Review
×
心臓内部を自律移動するロボット・カテーテル、「ゴキブリ」に着想
Fagogenis et al., Sci. Robot. 4, eaaw1977 (2019)
生物工学/医療 無料会員限定
A robotic catheter has autonomously wound its way inside a live, beating pig’s heart

心臓内部を自律移動するロボット・カテーテル、「ゴキブリ」に着想

ハーバード大学医科大学院の研究チームが、心臓内部を自律的に移動できるロボット・カテーテルを開発した。ゴキブリの移動にヒントを得たという。 by Charlotte Jee2019.05.10

鼓動する心臓内部の手術は、熟練した外科医の手腕を必要とする複雑で繊細な手術だ。医療スタッフは通常、ジョイスティックとX線または超音波を組み合わせて、カテーテルを体内で慎重に移動させる。

今回初めて、ロボット・カテーテルが心臓内部を自律的に移動できるようになり、とりわけ複雑な手術の実施に役立てられるようになった。このカテーテルは、ある生物が周辺環境を知覚する方法からヒントを得て開発されたもので、外科医らはこの機器を利用して、5匹の生きているブタの心臓の弁の逆流を修復した。

「ネズミはひげを使って壁に触れ、人間は自分が向かう方向を知覚します。ゴキブリは触覚を使います」。サイエンス・ロボティクス(Science Robotics)誌で発表された …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. We finally have a definition for open-source AI 「オープンソースAI」問題ついに決着、OSIが定義を発表
  2. Here’s how people are actually using AI カネにならない生成AIブーム、LLMはどう使われているか?
  3. The US physics community is not done working on trust 物理学界で繰り返される研究不正、再発防止には何が必要か
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る