KADOKAWA Technology Review
×
Facebookログイン終了のお知らせ(2026/3/31 予定)
クルマの「逆さ走行」 意外と簡単だった?
Spencer Davis | Unsplash
スマートシティ Insider Online限定
Driving upside down might be easier than it seems

クルマの「逆さ走行」 意外と簡単だった?

映画などで見られるように、トンネルの天井に張り付いたような姿勢で、自動車を上下逆さにして走行させることは可能だろうか。こうした「逆さ走行」について研究した事例は多いが、ブラジルのサンタカタリーナ連邦大学の研究者たちが、これまで見過ごされてきたアプローチを使って、逆さ走行をいつまでも続けられる方法を示した。 by Emerging Technology from the arXiv2019.07.11

トンネルの天井などに沿って、車を逆さまにして走行できるかという問題は、何十年もの間エンジニアや運転愛好家を魅了してきた。逆さ走行は、特定の状況下では確かに可能であり、これに関係するさまざまな力を分析した研究も多い。実際、学生向けの演習問題としてこういった場合の力の計算が出題されることもしばしばだ。

そのため、この問題はすでに徹底的に検討し尽くされており、これまでに考えられてきた以外の逆さ走行の方法は存在しないだろうと考えられがちだ。しかし、実際はそうでもない。

5月24日、ブラジルのサンタカタリーナ連邦大学のフェルナンド・ダルアニョール教授らは、この問題に対するまったく新しいアプローチを発見した。ダルアニョール教授らは「この解決法は、数学的には複雑ではありませんが、これまで、文献はもとより、映画、ゲームにすらも出てきたことはありません」と述べている。

彼らのアプローチは、これまでの解決法に比べていくつかの重要な利点がある。研究チームは、「スタントカーを円形のトラック(走路)上で、ほんの一瞬ではなく、ずっと逆さのまま走らせる方法があります」と言い、おもちゃの車を使って実演すらしてみせた。

背景を少し紹介しておこう。逆さ走行のひとつの方法は、動的空気力を使うものだ。たとえば、F1(フォーミュラ・ワン)カーの前翼と後翼は、車体を道路に押し付ける力を発生させる。それらの翼を備えた高性能自動車であれば、時速約225キロ前後という比較的低い速度で、トンネルの天井を逆さになって走行できることが容易に計算できる(ただし、そのような条件でエンジンが作動するかについては別の問題だ)。

車を道路に押し付けられる他の力として、遠心力がある。これまで、大勢の勇敢な人々の運転する車が、宙返りループのトラック上で一瞬逆さになってもそのまま走行できるのは遠心力のおかげだ。

サ …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion Emerging Technology Nite #36 Special 【3/9開催】2026年版「新規事業の発想と作り方」開催のお知らせ
  2. EVs could be cheaper to own than gas cars in Africa by 2040 アフリカでEVがガソリン車より安くなる日——鍵は「太陽光オフグリッド」
  3. RFK Jr. follows a carnivore diet. That doesn’t mean you should. 「肉か発酵食品しか食べない」米保健長官が目指す「健康な米国」
  4. Why EVs are gaining ground in Africa アフリカ初のバッテリー工場も建設中、「次のEV市場」は立ち上がるか?
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る