KADOKAWA Technology Review
×
発表!MITテクノロジーレビューが選ぶ
2022年のイノベーター14人。
【12/15 Summit開催】
タンパク質の形状を厳密に決定する数理モデル
Analyses Of Protein Cores Reveal Fundamental Differences Between Solution And Crystal Structures
生命の再定義 Insider Online限定
Measuring the shape of proteins just got easier thanks to mathematics

タンパク質の形状を厳密に決定する数理モデル

生物の体内で働くタンパク質の機能はタンパク質の形状によって決まる。現在使われている2つのタンパク質構造測定法は、異なる測定結果を導き出すが、両者の結果を比較することで、タンパク質の形状をより正確に理解できる可能性がある。 by Emerging Technology from the arXiv2019.08.27

タンパク質は、生物の構成単位である。鎖状に長く連なるアミノ酸からできており、自己組織化して極めて複雑な分子マシンになる。このような分子マシンには、mRNAの遺伝情報に基づいてタンパク質を合成するリボソームや、足場の役割を果たす細胞骨格である微小管、二足歩行で歩くように動くキネシンなど、さまざまなものがある。

まるで、鎖状に連なったレゴのブロックが突然集合してロボットに姿を変えるかのような自己組織化のプロセスは、現代科学における驚異の1つである。自己組織化が起こる仕組みはまだよく分かっていないが、自己組織化によって決定されるタンパク質の形状が、タンパク質の機能や他のタンパク質との相互作用の仕方を決定することが明らかになっている。

すなわち、タンパク質の形状を測定することは極めて重要な課題なのである。もっとも一般的な測定法は、タンパク質の結晶を作り、X線結晶構造解析を用いてタンパク質の構造を決定する方法だ。

この手法が問題なのは、ほとんどのタンパク質が結晶を形成しないためである。たとえ結晶を形成したとしても、すし詰め状態となったタンパク質分子のすべてが同じ形状になるとは限らず、不正確な測定結果につながる可能性がある。

核磁気共鳴法(NMR法)と呼ばれる別の手法では、溶液中のタンパク質の画像を作り出すが、タンパク質を密に充填させて塊にする必要がある。この場合もやはり、測定対象にできるタンパク質はほんのわずかしかない。

一方、ごく一部のタンパク質は、両方の手法を用いて構造を捉えることができる。このこ …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8脱炭素イノベーション

2050年のカーボンニュートラル(炭素中立)の実現に向けて、世界各国で研究開発が加速する脱炭素技術、社会実装が進む気候変動の緩和・適応策などGX(グリーン・トランスフォーメーション)の最新動向を丸ごと1冊取り上げる。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る