KADOKAWA Technology Review
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Two Weeks with Oculus Touch and I’m Hooked

2週間試用でハマった!オキュラス・タッチの没入感は最高だ

新製品のハンドトラッキング・コントローラーを組み合わせると、VRはハマりやすい。 by Signe Brewster2016.12.06

オキュラス・リフトのゴーグルがあれば、実質現実(VR)に没頭できる別次元の体験ができるようになる。米国では12月6日に199ドル(国内価格は2万3800円)で販売開始されるオキュラスVRのタッチ・コントローラーは、ジェスチャーと指の動きを捉えて、ユーザーの手をバーチャル世界に入り込ませる。

この記事は、オキュラス・リフトのゴーグルにタッチ・コントローラーを接続して2週間過ごした男の体験記だ。ゴーグルの第一印象は、威圧的。以前のゲーム機に付けるコントローラーとは似ても似つかない。人差し指と中指はコントローラー側面のトリガーに置く。一方、親指は、ジョイスティックと3つのボタンの届く範囲内に位置する。

慣れてくると、この体験はどんどんハマる。VRゴーグルを初めて装着すれば、 誰でも自分の周りのバーチャル世界に手を伸ばして触りたくなる。 タッチ・コントローラーがあれば「実際に」できるのだ。

タッチ・コントローラーを握り締めて世界を見ると、幽霊のように手が目の前に漂っているのが見える。人差し指を向けると、バーチャルなほうの手もそちらへ向く。バーチャル世界内のゲームセンター「ピアヘッド・アーケード(Pierhead Arcade)」で、バーチャルなアーケードゲームにコインを投入し、スキーボールやシャッフルボード、クレーンゲームを楽しんだ。VRスポーツでは、ゴールキーパーとしてホッケーのネット前に立ち、グローブをはめた手でパックが突進してくるのを遮った。50以上のゲームが販売開始時にタッチ・コントローラーで操作可能で、大部分はXboxのコントローラーでも動く。

タッチ・コントローラーによる没入感の大部分は、何か物理的なものを実感することで得られる。シャッフルボードのパックを取り上げれば、手応えがある(コントローラーを投げてしまう事故防止に、リストストラップを必ず着けること)。没入感の残りの部分は、手を伸ばして、自分のまわりの世界を殴ったり、操作したりできることで得られる。コントローラーは、ちょうどいい具合に振動で触覚によるフィードバックを追加している。

オキュラス・リフトのゴーグルは、ユーザーの位置を追跡するセンサー付きだ。タッチ・コントローラーに付属するセンサーをリビングルームに設置し、最小の推奨サイズである約2m×約1.5mの範囲で追跡できるように設定した。範囲の端に近づくと、ゴーグルはバーチャルの青いフェンスを出して、それ以上進まないように注意する。ただし、最小推奨範囲を設定しているのに、ゲームはときどきプレイエリアの外側にオブジェクトを配置し、私の手が届くと不具合が起きることがあった。

いったんタッチ・コントローラーでゲームを楽しむと、私はもう Xbox コントローラーとオキュラス・リフト付属の標準リモコンには戻れなくなった。しかし、実際にフットボールを投げたり、ショットガンを撃ったりするように、手を動かすのも疲れる。VRゴーグルで映画を見るときは別だが、長時間のゲームを楽しむ目的では、レベルの高いゲーマーは、今後も従来型のコントローラーを選ぶかもしれない。

オキュラス VR は、タッチの快適性と正確性を改善し続けることになるだろうが、第1世代の機器として、オキュラス VRは私の期待を完全に満たしてくれていた。VRの目的は没入であり、手の位置を捉えることで、大部分が達成される。リフト・ユーザーでこの没入体験に興味があれば、1台購入するとよいだろう。

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シグニー・ブリュースターは科学とテクノロジーのライター。特に注目しているのは、たとえば実質現実やドローン、3Dプリントなど、芽生えたばかりのテクノロジーが今後どうなるか、です。記事は、TechCrunch、Wired、Fortuneでも執筆しています。
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