KADOKAWA Technology Review
×
Facebookログイン終了のお知らせ(2026/3/31 予定)
37 Years Ago: How to Fix Democracy

BASIC言語の開発者は、37年前、米国政治の何を見て民主主義に悲観したのか?

1980年に議会の意思決定を間近に見たジョン・G・ケメニー(BASIC言語の開発者)は、現行の民主主義制度では国家的課題を解決できないと気付いた。 by MIT Technology Review2016.12.21

何度も聞いた話だが、民主主義は不完全なシステムだ。それでも、私たちはどうにかしてきた。ここで伝えたいメッセージは、長い間懸命に考えてきたことで、民主主義はこれ以上どうにもできないのではないか、ということだ。私たちが取り組んでいる問題は、民主主義では解決できない。したがって、結論として、民主主義を成長させなければいけないのだ。民主主義を成長させる魔法のレシピは提供できまないが(そんなレシピがあったらいいが)、みなさんの頭を刺激するいくつかの考えを述べたい。

米国政治に欠如しているのは、尊敬でき、党派主義に陥らない、学際的チームだろう。そうしたチームがあれば、何ができるか提示してくれるはずだ。また、さまざまな解決策のプラス面とマイナス面も示せるだろう。エネルギー問題を取りあげてみよう。全米アカデミーズや適切な人物と協議し合うその他の機関と共に、次のように発言できるチームが設立されたら最高だ。

「たくさんの提案がありますが、大部分はうまくいきません。ですが、ここに6つの計画があります。どれも実行可能です。それぞれの計画について、費用とよい面、悪い面、危険度、不確実性を説明します」

少なくとも、それぞれの選択肢は、十分に整合性があり、よく練られた計画だろう。しかし、連邦議会の各委員会がそれぞれの計画をつまみ食いし、計画をまとめるような民主主義は信頼できない。議会が飛行機を設計するとしよう。それぞれの委員会が担当部分を設計し、11時間かけて両院協議会が部品をどうまとめるか決める。果たしてその飛行機は飛ぶだろうか? エネルギー計画やインフレ計画などが、この方法でまとめられているのだ。

米国の議会制民主主義はうまくいっていない。現行の制度は、建国当時の社会が複雑でなかった時代に設計されたのだ。ジェファーソン流の民主主義は1980年にうまくいかないと確信できる。世界はあまりに複雑だ。民主主義の廃止を訴えているのではない。そうではなく、救済を訴えているのだ。アメリカの民主主義を救う唯一の方法は、連邦レベルで、根本的な意思決定プロセスを変えることだ。そうすることで、この国が直面している巨大で複雑な諸問題に取る組めるようになる。

ジョン・G・ケメニー著『米民主主義の救済:スリーマイル島の教訓(Saving American Democracy: The Lessons of Three Mile Island)』(Technology Review 1980年6月/7月号)より

人気の記事ランキング
  1. Promotion Emerging Technology Nite #36 Special 【3/9開催】2026年版「新規事業の発想と作り方」開催のお知らせ
  2. EVs could be cheaper to own than gas cars in Africa by 2040 アフリカでEVがガソリン車より安くなる日——鍵は「太陽光オフグリッド」
  3. RFK Jr. follows a carnivore diet. That doesn’t mean you should. 「肉か発酵食品しか食べない」米保健長官が目指す「健康な米国」
  4. Why EVs are gaining ground in Africa アフリカ初のバッテリー工場も建設中、「次のEV市場」は立ち上がるか?
MITテクノロジーレビュー [MIT Technology Review]米国版
編集部所属ライターまたはバックナンバー担当者
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る