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徹底したシンガポールの新型コロナ対策はお手本となるか?
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Singapore is the model for how to handle the coronavirus

徹底したシンガポールの新型コロナ対策はお手本となるか?

新型コロナウイルスの感染において、シンガポールは中国の主要な貿易相手国の1つとして早くから打撃を受けた。しかし、国内で症例が発生した後のシンガポールの迅速かつ徹底した対応は、他の国々のお手本ともなるかもしれない。 by Spencer Wells2020.03.17

シンガポールの英国植民地時代の輝かしい白い頂点であるラッフルズホテルで、私はこの記事を書き始めた。2年半かけて完全に改装されたラッフルズホテルは、世界有数の豪華なホテルの1つだ。このホテルは多くの点において、1965年に独立した都市国家としての地位を確立して以来のシンガポールのあり方を象徴するものだ。

シンガポールの初代首相であるリー・クアンユーは先見の明のある政治家で、有力者でありテクノクラートでもあった。当地では創立者、指導者、真実の語り手、若い国の象徴として称賛され、現代のシンガポールの戦略を作った。とりわけ透明性へのコミットメント、迷信ではなく理性の力への信念、清廉な政治などを提唱した。これらすべてが組み合わされて生まれたのが、昨年末に中国で発生し、過去2か月で世界中に急速に広がった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する、シンガポールの世界をリードする対応だ。

シンガポールは中国の主要な貿易相手国の1つとして早くから打撃を受けた。「武漢インフルエンザ」の最初の公式通知から数週間以内に、12件の症例が発生した。 しかし、これが季節性インフルエンザ以上のものであることにすぐに気付き、迅速な行動を取った。2002年から2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスの経験に基づき、シンガポールは症例を注意深く追跡し始め、それらをつなげる共通点を見つけた。

新しい症例が検出されてから1日、時には2日以内に、当局はある人から別の人への感染の複雑な連鎖を、データベースを備えたシャーロックホームズのようにまとめることができた。2月には、シンガポールの政府または企業の建物に入るすべての人に連絡先の詳細の提供を義務付け、そのプロセスを迅速化した。

シンガポールが新型コロナウイルス感染症対応のお手本になるのは、単に症例を検出し、それらが発生した理由を説明できるからだけではない。シンガポール当局は核酸検査キットを迅速に開発し、出入国港に配備した。現場で検疫される人々に対しては、ウイルスに感染しているかどうかを職員が3時間以内に確認し、入国を許可するかどうかを判断する。

米国の対応は基本的にこの逆だった。早い段階では、ほとんどの人はこれが「中国」または「アジア」の問題だと思っていたようだ。パンデミックは米国では起こらないという思い上がった無頓着により、公衆衛生当局はガードを甘くしてしまった。 数十人、あるいはそれ以上の感染した人々が米国への入国を許可され、病気でも出勤することを許可あるいは奨励されてウイルスの拡散を速めた。

ウイルスに感染して発症した一部の人々は検査の実施を訴えたものの、中国への渡航歴がないか、病状が十分ではないとして拒否された。もっとも、この点については議論にも値しない。米国疾病予防管理センター(CDC)が開発・配布した初期の検査キットには欠陥があり、使用できなかったからだ。 この不当な検査の遅れは、米国人労働者の25%に病気休暇(sick leave)が与えられていないとの事実と相まって、病気の人々を職場に戻すことを強いて感染をさらに拡大させた。

この記事を書き終えつつある今、私はボルネオ南部の川のはるか上流、キャンプ・リーキーの近く、ビルーテ・ガルディカス博士の設立50年になるオランウータン研究センターにいる。私はこのところ2日間「オフ・グリッド(インターネットや電話がつながらない状態)」で、この記事を衛星経由で投稿する。私が出発したとき、状況は米国にとって良いものでなく、(予想どおり)ウイルスはすでに深く分裂している私たちの国をさらに二極化した。 このウイルスについて言えることは、政党、国境や純資産はお構いなしだということだ。彼らが気にするのは繁殖することだけで、ことさらそれが得意なようだ。

私が東南アジアへの旅行計画を進めると決めたとき、多くの人は頭がおかしいのではないかと言った。 数週間前の感染数を見た人は、「あなたは嵐の目の中に飛び込んで行くのですよ」と言った。今、私は故郷である米国で起きていることに対し、同じ驚きと恐怖の感覚を感じずにはいられない。米国と欧州が現在、嵐の中心となっている。私たちすべてが幸運であらんことを祈るばかりだ。

著者のスペンサー・ウォーカーは遺伝学者・人類学者。ナショナルジオグラフィック協会の元エクスプローラー・イン・レジデンス(Explorers-in-Residence)でもある。

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