KADOKAWA Technology Review
×
来れ、若きイノベーター! Innovators Under 35 Japan 2022 応募受付開始。
ワッツアップが転送制限、新型コロナ関連のデマ拡散防ぐ
Alfredo Rivera | Pixabay
WhatsApp is limiting message forwarding to combat coronavirus misinformation

ワッツアップが転送制限、新型コロナ関連のデマ拡散防ぐ

ワッツアップは、同社が「非常に多く転送されている」と識別したメッセージの転送制限を発表した。新型コロナウイルス感染症に関するデマ拡散のスピードを抑えることが狙いだ。 by Charlotte Jee2020.04.08

フェイスブック傘下のワッツアップ(WhatsApp)は、同社のメッセンジャー・アプリ「ワッツアップ」のメッセージ転送機能に新しい制限を実装すると発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに関するデマを広めるのにワッツアップが使われているという懸念が高まっていることに対応するためだ。 同社のブログ投稿によると、これまではメッセージを5人まで転送できたが、4月7日からは、「非常に多く転送されている」と識別されたメッセージは1人にしか転送できなくなる。口コミ情報の拡散を遅らせ、真実が虚偽に埋もれてしまうのを防ぐのが狙いだ。ワッツアップのやり取りは非公開でエンドツーエンドで暗号化されており、セキュリティが確保されている一方、運営側がメッセージの内容を確認できないため極めて強力なデマの温床になりかねない。

ワッツアップは何年にも渡って世界中で虚偽のコンテンツを共有するために使われてきたが、この問題に関する懸念は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の危機でピークに達した。 同社は、「転送量が大幅に増えて辟易していると言っているユーザーがいます。デマの拡散に寄与する可能性もあります」と説明。 また、噂やウイルスに対する(実際には存在しない)偽の「治療法」陰謀論がワッツアップで共有されているとの報告が多数寄せられているという。

ワッツアップは、インドで暴徒リンチ事件が相次いだのを受けて、2018年7月に転送制限を始めた。それ以前は、ユーザーは最大256人にまでメッセージを転送でき、転送を示すラベルは付けられていなかった。さらに、メッセージが何度も転送されたことを示す2つの矢印も追加した。 2019年には、メッセージを転送できる人数を5人に減らした。こうした対策を講じても、メッセージを大勢の人に1人ずつ転送することを防げないが、ある程度の抑止力にはなる。これはうまくいったようで、過去1年間で転送が世界中で25%減ったという。

もちろん、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにおいて、ワッツアップは否定的な目的でのみ使用されているわけではない。直接会うことができない友人や家族とのつながりを維持するのに役立つのは言うまでもない。米国疾病予防管理センター(CDC)や世界保健機関(WHO)、英国の国民健康サービス(NHS)などの保健当局は、新型コロナウイルスに関する差し迫った質問に答えるためにもワッツアップを使用している。

人気の記事ランキング
  1. How China’s biggest online influencers fell from their thrones 桁外れの中国トップ・インフルエンサー、一夜にして転落
  2. Scientists hacked a locust’s brain to sniff out human cancer バッタの脳を改造、人間のがんの「嗅ぎ分け」に成功
  3. What impact will DeepMind’s scientific AI have on our society? アルファフォールド2が社会に与える「アルファ碁」以上のインパクト
  4. Can grid storage batteries save Japan’s power supply crisis? 送電網向け蓄電池は「需給ひっ迫」の危機を救えるか?
  5. What we can do with GPT-3 to enhance our creativity? GPT-3が新社名を発案、「AIと働く」を実践してみた
シャーロット・ジー [Charlotte Jee]米国版 ニュース担当記者
米国版ニュースレター「ザ・ダウンロード(The Download)」を担当。政治、行政、テクノロジー分野での記者経験、テックワールド(Techworld)の編集者を経て、MITテクノロジーレビューへ。 記者活動以外に、テック系イベントにおける多様性を支援するベンチャー企業「ジェネオ(Jeneo)」の経営、定期的な講演やBBCへの出演などの活動も行なっている。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. How China’s biggest online influencers fell from their thrones 桁外れの中国トップ・インフルエンサー、一夜にして転落
  2. Scientists hacked a locust’s brain to sniff out human cancer バッタの脳を改造、人間のがんの「嗅ぎ分け」に成功
  3. What impact will DeepMind’s scientific AI have on our society? アルファフォールド2が社会に与える「アルファ碁」以上のインパクト
  4. Can grid storage batteries save Japan’s power supply crisis? 送電網向け蓄電池は「需給ひっ迫」の危機を救えるか?
  5. What we can do with GPT-3 to enhance our creativity? GPT-3が新社名を発案、「AIと働く」を実践してみた
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.7
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.7世界を変える10大技術 2022年版

パンデミック収束の切り札として期待される「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)飲み薬」、アルファ碁の開発企業が作った「タンパク質構造予測AI」、究極のエネルギー技術として期待が高まる「実用的な核融合炉」など、2022年に最も注目すべきテクノロジー・トレンドを一挙解説。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る