新型コロナ感染第2波を警戒、武漢市が住民1100万人を検査へ
中国・武漢で4月8日の都市封鎖を解除して以来初めて、新型コロナウイルス感染症の感染者が6人見つかった。当局は新型コロナウイルス感染の第2波に備え、全住民1100万人に対して10日以内に検査を実施する計画だ。 by Charlotte Jee2020.05.13
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの発祥地となった武漢で、封鎖解除以来初となる新たな感染者が見つかったことを受け、同市は1100万人の住民全員に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査実施を決めた。中国国営メディアが公表した武漢市のウイルス対策当局の文書によると、市内の各地区は全住民の検査を10日以内に実施する計画を作成するよう指示された。まず、脆弱なグループと高密集地域の検査を優先する。
武漢の現地政府は、先週末にかけて市内で感染症例が6例見つかったことを認めた。この発見により、4月8日に封鎖が解除されて以来、武漢市内あるいはさらに広い湖北省内で35日間続いていた「確認された新規感染者なし」の記録が途切れた。感染した6人を辿ると、すべての症例がある1つの住宅街区に由来していた。
さらなる感染者を洗い出そうという大規模かつ費用のかかるこの試みは、中国政府がウイルスの復活を阻止しようと、どれだけ神経をとがらせているかを浮き彫りにしている。各国が封鎖を緩和し始める中、中国は新型コロナウイルス感染第2波という極めて現実的な脅威に対処する必要がある。
優れた対応が評価されていた韓国は、封鎖を解除し、バーやナイトクラブの営業を認めたことで、いまや新たな感染多発に直面している。専門家は、ワクチンができるまで何らかの形で社会的距離を保つ必要があるかもしれないと警告している。封鎖を解除し始める国は、緩やかに、慎重に、そして人が十分距離を保つことができる方法で解除するのが賢明だろう。
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- シャーロット・ジー [Charlotte Jee]米国版 ニュース担当記者
- 米国版ニュースレター「ザ・ダウンロード(The Download)」を担当。政治、行政、テクノロジー分野での記者経験、テックワールド(Techworld)の編集者を経て、MITテクノロジーレビューへ。 記者活動以外に、テック系イベントにおける多様性を支援するベンチャー企業「ジェネオ(Jeneo)」の経営、定期的な講演やBBCへの出演などの活動も行なっている。