KADOKAWA Technology Review
×
【明日まで】10/31締切 日本初開催 「Innovators Under 35」候補者募集中
新型コロナの免疫は数カ月で消滅か、ロンドン大新研究
Unsplash
Immunity to covid-19 could disappear in months, a new study suggests

新型コロナの免疫は数カ月で消滅か、ロンドン大新研究

回復患者に対する調査によると、新型コロナウイルスに感染しても抗体は短期間しか維持されない可能性があることが分かった。 by Charlotte Jee2020.07.14

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の回復患者への新たな経時的調査によると、新型コロナに対する免疫は短期間しか持続しない可能性があることが分かった。

キングス・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学)の研究チームが、3月から6月にかけて、ガイズ・アンド・セント・トーマスNHS財団トラストの96人の患者と医療従事者に対して抗体検査を繰り返し実施した。検査対象者はすべて、PCR検査もしくは抗体陽性検査により、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染していたことが確認されている。

検査を通じて研究チームは、ウイルスに対抗する抗体の量は、新型コロナウイルス感染症の症状が出てから約3週間後にピークに達し、その後は急速に減少することを発見。感染期間中は検査対象者の60%に「有効な」抗体反応が見られたが、3カ月の検査期間終了時に同レベルの有効な反応があったのは17%に過ぎなかったという。

新型コロナウイルス感染症の症状が重かった患者は、抗体値が高く、長期間維持されていた。一方、比較的症状の軽い患者では、3カ月の検査期間終了時に抗体はまったく検出されなかった。この研究はメドアーカイブ(medRxiv)でプレプリントとして発表されており、まだ査読を受けていない。

今回の研究は、新型コロナウイルスが他のコロナウイルスと同様に、繰り返しヒトに感染する可能性を示している。事実であれば、一度のワクチン接種やコミュニティ内でのウイルスの広がりを通じて「集団免疫」を実現することはなくなる。防御抗体が時間とともに減ってしまうからだ。

しかしながら、抗体は新型コロナウイルス感染症の唯一の対抗手段ではない。新型コロナウイルスに感染した細胞を探して破壊するT細胞も、何らかの防御効果を生み出せる可能性がある。要するに今はまだ、免疫について高い確度で結論付けられるほどのデータが患者から得られていないのだ。新型コロナウイルス感染症に2度感染した事例は報告されているものの、いずれも確認するには至っていない。

(関連記事:新型コロナウイルス感染症に関する記事一覧

人気の記事ランキング
  1. OSIRIS-REx collected too much asteroid material and now some is floating away NASA探査機、小惑星のサンプル採取に成功も多過ぎて蓋が閉まらず
  2. The deadline for IU35 Japan entries is approaching Innovators Under 35 Japan、候補者の応募・推薦締切迫る
  3. There might be even more underground reservoirs of liquid water on Mars 火星の南極に新たな地下湖、生命体が見つかる可能性も
  4. Satellite mega-constellations risk ruining astronomy forever 増え続ける人工衛星群で天体観測が台無し、解決策はあるか?
  5. Room-temperature superconductivity has been achieved for the first time 世界初、15°C「室温超伝導」達成 夢の新技術へ突破口
シャーロット・ジー [Charlotte Jee]米国版 ニュース担当記者
米国版ニュースレター「ザ・ダウンロード(The Download)」を担当。政治、行政、テクノロジー分野での記者経験、テックワールド(Techworld)の編集者を経て、MITテクノロジーレビューへ。 記者活動以外に、テック系イベントにおける多様性を支援するベンチャー企業「ジェネオ(Jeneo)」の経営、定期的な講演やBBCへの出演などの活動も行なっている。
Innovators Under 35 Japan 2020

MITテクノロジーレビューが主催するグローバル・アワード「Innovators Under 35」が2020年、日本に上陸する。特定の分野や業界だけでなく、世界全体にとって重要かつ独創的なイノベーターを発信していく取り組みを紹介しよう。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. OSIRIS-REx collected too much asteroid material and now some is floating away NASA探査機、小惑星のサンプル採取に成功も多過ぎて蓋が閉まらず
  2. The deadline for IU35 Japan entries is approaching Innovators Under 35 Japan、候補者の応募・推薦締切迫る
  3. There might be even more underground reservoirs of liquid water on Mars 火星の南極に新たな地下湖、生命体が見つかる可能性も
  4. Satellite mega-constellations risk ruining astronomy forever 増え続ける人工衛星群で天体観測が台無し、解決策はあるか?
  5. Room-temperature superconductivity has been achieved for the first time 世界初、15°C「室温超伝導」達成 夢の新技術へ突破口
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.1/Autumn 2020
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.1/Autumn 2020AI Issue

技術動向から社会実装の先進事例、倫理・ガバナンスまで、
AI戦略の2020年代のあたらしい指針。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る