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新型コロナ「陰謀論」動画はなぜ消滅しないのか?
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How Covid-19 conspiracy videos keep getting millions of views

新型コロナ「陰謀論」動画はなぜ消滅しないのか?

新型コロナに関するデマが再び拡散されている。プラットフォームも削除などの対策をとるが、陰謀論者の再投稿やシェアは止まず、いたちごっこが続いている。 by Abby Ohlheiser2020.07.31

ある動画が大拡散されたおかげで、現在進行中のソーシャル・メディア企業と、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のデマを広める人々(ドナルド・トランプ大統領もその1人だ)との闘いが再び激化している。この動画は、フェイスブックやツイッターなどにとって、陰謀論への対処がいかに難しいかを示すものだ。

最新のデマ動画は、「アメリカズ・フロントライン・ドクターズ(America’s Frontline Doctors)」と称する団体によるものだ。この団体は、右派政治団体ティーパーティー・パトリオッツ(Tea Party Patriots)から資金を得ている。 動画では、白衣を着た専門家らしい見た目のグループが、抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンの使用を擁護している。トランプ大統領も以前、この薬剤を推奨した。動画の記者会見では、ある医師がヒドロキシクロロキンを新型コロナウイルス感染症の「治療薬」だと宣伝し、人々がマスクを着用する「必要はない」と発言した。米国食品医薬品局(FDA)は、ヒドロキシクロロキンの新型コロナウイルス感染症に対する治療効果は乏しく、健康に害を及ぼす可能性もあると判断し、緊急使用許可を6月に撤回している。

誤った主張のこの動画は、健康に関するデマについて定めたポリシーに違反したとして、フェイスブック、ユーチューブ、ツイッター上では削除された。ドナルド・トランプ・ジュニアのツイッター・アカウントは、この動画の共有後に一時的に制限され、大統領によるリツイートは削除された。しかし、この事態が起きた頃には、すでに数百万人が動画を視聴していた

5月に大きな話題を呼んだアメリカズ・フロントライン・ドクターズとプランデミック(Plandemic)による、新型コロナウイルス感染症の陰謀論を広める別の動画は、長年の間ほとんどが野放しにされてきたデマのエコシステムを収集させることが、いかに難しいかを示している。なぜ今、このような事態が起きているのだろうか?

デマを流す人々は、より多くのオーディエンスを獲得するのに長けてきている。陰謀論は一般的に、荒涼としたネットの片隅だけで盛り上がっているものだと見なされてきた。しかしこの見方は、ここ数カ月で拡散され成功を収めた動画にはあまり当てはまらない。 反ワクチン運動の主要人物らは、知名度の高いメジャーなユーチューバーにアプローチすることで、より大勢の視聴者に自分たちの考えを売り込もうとしている。

デマの拡散を助長しているのは、マスコミの報道だ。同調的内容か、怒りを表明する内容かに関わらず、報道は陰謀論に対してプラスの効果を与えてしまう。医師らによる記者会見は極右のニュースサイト「ブライトバート・ニュース・ネットワーク(Breitbart News Network)」によって、「速報:米国の医師グループが合衆国最高裁判所の記者会見で新型コロナウイルス感染症のデマ情報に言及」という見出し付きでライブ配信された。この投稿は削除されたが、ブライトバート・ニュースのフェイスブックは4500万を上回る人々にフォローされている。

情報の削除による取り締まりは、デマの循環を止めるどころかさらに加速させてしまう恐れがある。極右派の一部は何年にもわたり、オンライン・プラットフォームが秘かに共謀し、保守派の政治思想を抑圧しようとしていると主張している。主要なソーシャルメディアから会見動画が削除され始めると、賛同者側は即座に動画を再投稿してシェアし始めた 。その頃には、動画は主流派勢力にとって、「人目に触れてほしくない」ものなのだという魅力を備えてしまった。そのおかげで、主流派勢力を信用していない人々はなおさら動画を視聴することとなり、問題はさらに深刻化した。

対策が遅すぎたのかもしれない。陰謀論の抑制のために実施された対策は、多少の成功を収めたかもしれないが、あまりに遅きに失しており、陰謀論を予防するのは不可能かもしれない。MITテクノロジーレビューでは最近、ファクトチェックやアカウント停止では、もはや陰謀論グループであるQアノン(QAnon)は止められないだろうとする専門家の意見を取り上げた

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アビー・オルハイザー [Abby Ohlheiser]米国版 デジタル・カルチャー担当上級編集者
インターネット・カルチャーを中心に取材。前職は、ワシントン・ポスト紙でデジタルライフを取材し、アトランティック・ワイヤー紙でスタッフ・ライター務めた。
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