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新型コロナを抑え込んだ南米ウルグアイ、数百年続く伝統にも変化
Maria Elena Zuniga via Unsplash
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新型コロナを抑え込んだ南米ウルグアイ、数百年続く伝統にも変化

異例の新型コロナ対策で感染を抑え込んだ南米ウルグアイ。政府チームの顧問が成功の理由と数百年続く伝統が変わった様子について語る。 by Krithika Varagur2020.08.25

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るう南米で、ウルグアイ東方共和国(ウルグアイ)は数少ない希望の星の1つだ。その理由は、高度に発展した研究インフラや在宅医療という伝統、強力な公衆衛生システムにある。ウルグアイ政府のパンデミック(世界的な流行)対応チームの主要顧問、ラファエル・ラディとフェルナンド・パガニーニの2人が、検査体制を迅速に拡大できた経緯や、現在、国民に外出を勧めている理由を語った。

ウルグアイの最初の感染例は3月13日に確認されました。4月16日、我々は約60人のメンバーを招集して政府のワーキング・グループを立ち上げ、大統領と会談しました。ワーキング・グループは、公衆衛生分野、データ科学・モデリング分野の2つの主要部門で構成されています。

ウルグアイの新型コロナウイルス感染症による死者数:38人


2020年8月19日時点/出所:世界保健機関(WHO)

ウルグアイで最初に確認された症例数は、我々が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の制御ができなくなるほどの規模ではありませんでした。我々は、これまでに発生した5カ所から6カ所でのアウトブレイクについて、ほとんど把握できています。1カ所のアウトブレイクに含まれるのはいずれも50~60症例といったところで、すべての患者を隔離しています。直近のアウトブレイクはブラジル国境に近いトレインタ・イ・トレスで、ブラジル由来のアウトブレイクは2回目でした。そこの国境は厳密に言えば封鎖されていましたが、国境を接する町もあるため強制的な封鎖は困難です。実のところ、それらの町の大通りの1本は国境になっているので、住民は自由に往来できます。これら国境の町では、思うような完全なロックダウン(都市封鎖)は不可能なのです。

ラディとパガニーニ

現在、ウルグアイには優れたPCR検査を実施する能力があります。我々はアウトブレイクが発生しても十分に対処できる体制を整えており、直接の接触のみならず、二次的な接触者の追跡もできます。接触者追跡に加え、アウトブレイクのホット・スポット周辺の人々の無作為検査も実施しています。現場の検査員は、保健省ですでに働いている感染症分野の人材に頼っています。我々はデング熱(Dengue fever)など他の伝染病の対処経験がありますが、これまでのところ、専門分野以外の人材を動員しなければならないほどの症例数にはなっていません。それでも、接触者追跡に高度な技術を駆使しているわけではありません。スタッフの仕事のやり方はひたすら電話をかけるというもので、これまで長年実施してきた方法です。

今回の感染症がウルグアイに入ってくる前から、世界各地の研究ネットワークとの連携や、外国の様々な大学・機関との試薬の共有など、早期の科学的対応をとっていました。例えば、香港大学やフランスのパスツール研究所(Pasteur Institute)と協力し、分子生物学に基づく検査方法を開発しました。ウルグアイの最初の検査は、ウルグアイの共和国大学(University of the Republic)とパスツール研究所の当地施設、そして中央政府との合意で誕生しました。

世界ではあまり見られないウルグアイ独自の事情として、在宅医療が充実している点が挙げられます。医師が各家庭を訪問してくれるので、人々に家から出ないように指示できます。救急隊員や看護師ではなく、本物の医師が訪問するのです。したがって、パンデミックが始まった際、誰も病院へ行きませんでした。そのために病院での院内感染もなかったのです。検査チームが機材をすべて揃えて各家庭に直接出向き、そこで検体を採取しました。我々が考えるに、それが最初のアウトブレイクを抑えられた主な要因です。

当初の恐怖感が、ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を守る上で役に立ったと考えられます。感染のニュースは主にイタリアやスペインから入ってきましたが、大部分の人々はこれらの国からの移民を祖先に持っています。本当に恐ろしい状況を示す写真が、両国から送られてきました。政府が記者会見で「家から出ずに、ソーシャル・ディスタンスを保つことが必要です」と述べると、強制的なロックダウンではないにもかかわらず、人々はその必要性を感じて喜んで受け入れました。

現在、ウルグアイは南米で特に高齢化が進んでいる国の1つです。しかし、我々は高齢者に愛情を持ち、屋外の中庭などで話しかけたりすることが必要だと考えています。屋外で感染が発生する可能性はとても低いからです。そのため今、我々はソーシャル・ディスタンスを保てる開かれた空間で交流できるような、地域ネットワークを推進しています。接触時間は比較的短くしていますが、社会的な孤立は高齢者に大きな肉体的・精神的ストレスになるため、それを防ごうとしているのです。

感染症を抑え込む重要なことが、もう1つあります。ウルグアイにはマテ茶という、よく飲まれている伝統的な飲み物(カフェイン豊富なハーブ・ティー)があります。通常は複数の人で回し飲みをしますが、数百年続くこの社会的な伝統は劇的な終焉を迎えました。もう、マテ茶を回し飲みすることはありません。今では、1杯ずつに分けて飲むようにしています。

◆◆◆

このインタビューは、発言の主旨を明確にするために編集および要約されている。

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